―チュンチュン




すがすがしい朝、まっさらな青空。





今日から私たちは、高校2年生。








―ピンポーン





『まーこちゃーん、あっそびましょー!』





心優しいわたしは、幼馴染のマコを迎えにきてあげたのだ。




チャイムを押してほどなくして、中からバタバタと走ってくる音がする。




ガチャリとあわただしく開けられた先から、いきおいよくちっちゃいのが飛びだしてきた。




「あ!さくらちゃん!おはよう!今日学校じゃないの?」

『蓮くんおはよー!学校には遊びにいくも同然なんだよ〜』

よしよしと頭をなでながら、廊下の先にマコを探す。


「お兄ちゃんは、結構前にさくらちゃんを迎えにいったよ!」


『そっかーじゃあここにはいないんだねー』



あとから駆け寄ってきた蘭ちゃんにも挨拶をしつつ、わたしはそういった。




ん?あれ?いまなんつった?







『マコいないの?』







まったくもー、せっかくわたしが迎えに来てあげたのになにやってんだあいつ!






『空気よめマコ!』





「空気読むのはお前のほうださくら!」






ビクリと驚きつつゆっくりと後ろを振り返ると、そこには少し息を切らしたマコが立っていた。





『や、やーマコおはよー』



ぎこちなく片手をあげるわたしを確認すると、はあ、とひとつため息をついてわたしに近づいてきた。






「さくらお前いつもは寝坊するくせになんで今日だけこっちきてんの」


『新学期なんではりきってみました』


「はりきるのはいいけど連絡くらいしてよ」





いくら待っても出てこないから心配するだろ、そういってマコはもう一度ため息をつく。





『あの、ごめんね?』


「まあ、普通に無事でよかった」



マコはにこりとやわらかく笑うと、ポンポンとわたしの頭をなでた。



マコの手はおっきくて安心するから好きだ。




自然と口もゆるむ。





「いこっか」


『うん!』






わたしたちは、二人並んで学校に向かう。


今日は一段と、桜の花がきれいだと思った。



桃色の季節に

(今回もクラス一緒だといいねー!)
(そうだなー)
(お昼はハルも誘ってみんなで食べようねー)
(それから放課後はー)
(あれさくら、宿題のレポートやってきた?)
(ばっちりやってない)
(・・・)


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