僕の愛くるしい大切な君



※監禁もの。
管理人はヤンデレが激しく下手糞ですが、どうか目を瞑って頂けましたら幸いです…
ヤンデレのなり損ないアラウディがいます((ぇ



















「ねえ…君は、どんな夢を見ているの?」

大きな鳥籠に敷き詰められた白いクッションやふわふわな毛布。
その寝具に囲まれて、鳥籠の中ですやすやと眠る黒髪の少年に触れて、アラウディは一人ぽつりと呟いた。
柵状の扉を開けたまま、両腕、両手首を幾重にも拘束する金属製の手錠からは長い鎖が伸びて、鳥籠の柵へ繋がっている。
細く、白い首筋を飾る澄んだアクアブルーの首輪は、アラウディの瞳と瓜二つ。
穏やかな呼吸をする度に上下する胸元を見て、アラウディは少年の夢路を探ろうと、傷一つない綺麗な顔を見下ろした。
端正な顔立ちの少年は、酷く美しく、儚く散ってしまいそうな、そんな雰囲気を醸し出す。
何もかもが淡い色に包まれた彼の周りでは、ただ一つ、少年の深い漆黒の髪が綺麗に映えた。
艶やかな色と滑らかな指通りの髪が白いクッションに散って、そのコントラストの美しさに目眩がする。
頬に触れていた手を優しく動かすと、その肌の柔らかさと滑らかさは自らの歳より幾分幼い事を感じさせた。
額の黒髪へ軽く口付けを落とし、頬に触れていた掌を顎へと下げて、可愛らしい唇を親指で撫でる。
柔らかな弾力を感じるそれは、昨日も散々食らい付き、味わった。
しかし今ではすっかり色も落ち着いて、熱い程の熱も感じられない。
スッと目を細めて、その首筋へと視線を下げる。
首輪では隠れない、左側の首元にある焼傷は自らのものだと示す為のマーキング。
ただの円を書いただけのそれは対となってアラウディの首元にも存在し、少年と同じだと考えるだけで幸せな気持ちに満たされる。
昨日は少年の右腰へ大きな焼印を押し付けたが、それはきちんと形になっているだろうか。
そう考えるだけでぞくぞくと興奮してくる。
愛しそうに指先で首元の傷を撫でていると、少年の睫毛がぴくりと動いて、ゆっくりと閉じていた瞼が開かれた。
夢現を感じさせるような漆黒の瞳は、ぼんやりとアラウディを見詰めている。
深く、吸い込まれそうな程に暗い少年の瞳。
ゆっくりと瞬きを繰り返す度に、少年の頬は次第に赤く色付いていった。




「…おはよう、恭弥。何の夢を見ていたの」

不思議がる事なく柔らかく微笑んだアラウディは、少年の頬を撫でてその質問を投げ掛けた。
すると、恭弥と呼ばれた少年は口元を堅く閉ざして、顔さえ逸らさないもののふいと視線が他所を向く。
まるで、言いたくないとでもいうかのように。




「ねえ、教えてよ恭弥。どんな夢を見たの」

柔らかく緩んだ口元は変わらないまま、アラウディは今一度雲雀へ問いかける。
ゆっくり、優しく頬を撫でていくと、その熱が肌越しにじわりじわりと伝わってきた。
それでも視線を逸らしたままの雲雀に、アラウディは両の頬へ手を当てて、その愛しい少年の顔を突き刺すかのように見詰めた。
その視線に耐えるかのようにぐっと口元を詰むんで、やはり言いたくないと、小さく眉が寄る。
落ち着かないこの状況をなんとか紛らわそうと、ふわふわの毛布に埋もれていた雲雀の素足がするりと表れ、気まずそうに膝を擦り合わせた。
そんな雲雀に気付いたアラウディは片手をその素足へ下げていって、柔らかな肌をなぞるようにして掌を内股へ滑らせ、ゆっくりと足の付け根を目指して下げていく。
そんなアラウディの行為に雲雀の瞳は大きく開かれ、やめてと意識を伝えるべく澄んだアクアブルーの瞳を見詰めた。




「ぁ…っ」
「ここ…朝から元気だね。どうしたの」

願いも虚しく、毛布に隠れた雲雀の自身を握り締めると、アラウディは楽し気に口元を緩めた。
ビクリと跳ねる華奢な肩。
先程起きたばかりだというのに、目覚めた雲雀の自身は半勃ちになっていてプルプルと小刻みに震えている。




「やらしいね。昨日散々愛してあげたのに…」
「…ち…が」

自らの醜態がバレたという羞恥に耳まで染めて、雲雀は違うんだと微かに首を振った。
違う。
それは、違うんだ…。
やらしいと言われてはそれでお仕舞いかもしれない。
けれど、昨日の名残を求めている訳ではないのだ。
必死に否定する雲雀の瞳は既に水気が含まれていて、今にも泣き出してしまいそう。
このまま泣かせてもいいが、今はそんな気分ではない。
そう割り切って、アラウディは毛布に隠れる自身をするりと指先で撫で上げた。




「っ…」
「じゃあ、何が違うの?」

言ってみなよ。
そう言うアラウディの言葉に、雲雀はただ下半身の刺激に耐えて、どうしようと脳内で葛藤しているらしく忙しく視線が動いている。
そして動きが止まったかと思いきや再び動き出して、雲雀の瞳はあちらこちらとさ迷い続けた。
しかしそれも時間が経てば感覚は狭くなり、決断をしたのか、雲雀の瞳が不安そうにアラウディへと向いた。




「…何の、夢を見たの?」

言い付けるように、催促するように。
アラウディは甘い言葉の刺激を雲雀に与え、手の動きを止めた。
その言葉に頬の赤みは増し、目元も厭らしく色付いて、堅く閉じていた雲雀の口元がゆっくりと開かれる。




「…アラウディに……抱かれる、夢…」

こんな言葉言いたくないと、直ぐ様そっぽを向いた雲雀の顔は耳まで真っ赤に染まり、恥ずかしさを全面に現した。
それが本人の意思でなくとも。
素直に吐き出された言葉は、甘く、蕩けるようにしてアラウディの思考を溶かし、うっとりと雲雀を見下げる。




「そう…いい子だね。気持ち良かった…?」
「そ…なの…っ」

優しく頭を撫でながら、雲雀の耳元でわざとらしく甘く囁いた。
雲雀がどんな夢を見たかなんて、とっくにわかっていた事だ。
何故なら、そういう薬を飲ませてあげたから。
そうやって少しずつ、逃れられなくなればいい。
アラウディの囁きにぴくりと肩を跳ねさせて、言うもんかと口を閉ざして背を向ける雲雀。
そんな雲雀の姿は、アラウディを喜ばす物にしかならない。
ますます緩んだ口元は、度を過ぎれば異様とも言える。
しかしその緩んだ口元のまま、すっと雲雀の腰へ目を向けた。
雲雀の右腰には、白いガーゼが貼ってある筈だ。
雲雀の身体に重なっていた毛布を剥ぎ取り、シャツ一枚のそれをゆっくりと捲り上げていって、ガーゼの感触が指先に触れると手を止めた。




「夢より、本物の方が気持ち良かっただろ…?」

大人しくする雲雀の背中から声を掛けてやって、そのガーゼを一思いに剥ぎ取った。
痛みに小さく眉を寄せた雲雀だったが、そのアラウディの言葉は事実で、現実でする行為の方がより快楽を拾えた気がする。
口を閉ざした雲雀は、心の中で静かに呟いた。




「ああ、綺麗に出来てるね」

背後から聞こえた言葉は誉められているのだろうが、嬉しくも何ともない。
強引に犯された直後、足腰もままならない雲雀の腰へ、容赦無く焼印を押し付けたアラウディ。
白い雲雀の腰に刻まれたのは、一枚の羽。
けれどそれは真ん中で切断されていて、なんとも不思議な模様だった。
痛むかもしれないという事も忘れ、酔いしれた瞳でその傷に触れる。




「ッ…ぃ、た」

ピリッと感じた鋭い痛みに、雲雀は思わず声を漏らした。
未だ赤みが引かないそこを見詰めて、アラウディは何度も傷を撫でて、形を確かめるようにしてなぞっていく。
じくじくと痛む刺激に、雲雀は強く瞼を閉じて懸命に堪えた。




「羽をもがれた鳥は、一生飛べない。羽ばたけない翼を持っても、自由にはなれない…」

静かな空間に響くアラウディの心地好い低音の声。
その言葉を背中で聞きながら、何を言い出すんだと内心鼻で笑ってやった。
そんな当たり前の事を、何を今更。
こうして、鎖と手錠、首輪と鳥籠。
全てに拘束されて、逃げる事を許さない絶対的空間の中で、そんな、当たり前の事を言わないで。
羽をもがれた鳥が、鳥籠にぶちこまれ、首輪と鎖と手錠で繋がれて、一体どうして逃れるというのか。
フッと皮肉んだ笑みを浮かべて、雲雀は視界に映る窓からの空を見詰めた。
煉瓦で造られた部屋の中央には、でかでかと置かれた鳥籠がある。
その鳥籠の中からは、青い空と白い雲が、風に習って窓を行き交う風景しか見られない。
大空へ羽ばたいて、自由な世界を見てみたい。
もう一度、空へ羽ばたきたい。
しかし、自らの羽はもう無いのだ。
そして、その大空へ馳せる思いも、いつの間にか無くなった。
毎日同じ空を眺め、毎日同じ人間だけを見て、毎日同じ場所で過ごす。
変化の無い生活が、今では当たり前になっていた。




「…君は、僕の宝だ。だから…何処にも行かないで。ずっと、ずっと僕の側にいて」

絞り出される言葉を背中で聞いて、雲雀は静かに目を閉じた。
一体、何処に行けというのだろう。
アラウディという人間を知って、アラウディという人間を感じ、アラウディという人間に呑み込まれ、一体、僕は何処へ行けばいいのだ。
身体も心も、全てがアラウディに魅了され、既に堕ちているというのに。
横たわったままの雲雀に、背中から包み込むようにして抱き締めるアラウディ。
ふわふわな黒髪に頬擦りをして、雲雀の耳元へ小さく囁いた。




「…可愛い可愛い、僕の小鳥…」



















何があろうと、逃がさない。
羽をもいで、駆けて逃げるものなら足を折って、這って逃げるものなら腕を折って。
最後はその喉元を塞いで、永久的に僕の物になればいい。
白い悪魔に身体を奪われ、そうして心も奪われて。
そんな君に、逃げられるわけが無いんだけれど…。










........end

アラウディ何者^p^((ぇ
取り敢えず二人は人間です。
悪魔だったり小鳥というのは見立てただけなんですが、白い悪魔と黒い小鳥…。
あれなんか可愛いぞ((





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