子供=彼




※白蘭×雲雀(現代)
ネタバレになってしまう理由から、白蘭は10年後の容姿設定です。
原作沿いのパロだと思ってください、分かり難くてすみません。
雲雀は原作そのままで白蘭が御曹司…の設定ですが、あまり意味はありません。
























学校の木々はオレンジ色を一層強くし、そしてはらはらと葉を散らし始めた10月の終り頃。
肌寒い冷えた季節だというのに、応接室は何時ものように窓が開いていた。
なぜってそれは、あの小さな小鳥が何時でも帰って来れるように。
いつの間にか付きまとうようになったあの小鳥。
よく肩に乗ったり頭に乗ったりといい加減飽きないのかなとも思ったりするが、存外それを悪く思わない自分もいる。
一つ大きな欠伸をすると、放課後の静まった運動場を見下ろした。
窓の風は寒いけれど、どうやらまだ帰ってくる気配は無いらしい。
今一度学ランを深く掛けて、革張りのソファーにどさりと寝転んだ刹那。
バタンと勢い良く扉が開かれたと思えば、そこに映る人物に雲雀はまたかと溜め息を吐きたかった。
けれど、今回は少し違った。
溜め息を吐く事も無く、目の前の姿に不愉快そうな顔をする。




「トリックオアトリート!ヒバリちゃん、何かお菓子無い?」

全く。まるで子供の遊びだ。
ウキウキとした感情が此方にまで伝わりそうな楽しげな白蘭の笑顔。
ああ鬱陶しい。
やっとの事で溜め息を吐いて、雲雀は言葉を返すでもなく目を閉じた。




「あれ、まさかヒバリちゃんハロウィン知らないの?お菓子くれないならイタズラしちゃうよ。まあ…たまには応接室でっていうシチュエーションも悪くないし、僕はどっちでもいいんだけど」

なんてふざけた言葉を愉快そうに並べる白蘭。
黙れと一喝するようにして白い彼を睨み付けたら、やっと構ってくれたなんて言いながらがばりと抱き着いてくる。
何の仮装だか興味は無いが、反射的に反抗心が滲み出てきた。




「離れなよ…」
「い、や、だ。だってヒバリちゃんお菓子くれないんだもん。だったらイタズラしてもいいって事だよね」

どんな解釈をするんだお前は。
バカじゃないと呆れた溜め息を吐いて、取り敢えず殴ってやろうと腕を振り上げた刹那、ふわりと触れた唇の感触に思わずその手を硬直させる。
直ぐに離れていく白蘭の顔は、まるで雄。
こういう時ばかりは普段のふざけた性格も消えて、それこそ乱暴にもなる。
正直そんな気分にもならない訳で、勝手に釦を外し始める白蘭を余所に無造作に腕をソファーの下へと伸ばした。
ガバリとシャツを開かれたタイミングで、白蘭の顔に一つの菓子袋を突き付ける。




「あ…マシマロ」
「あげるからさっさと出てって。僕は眠いんだ」

ふん、と澄ました顔でそっぽを向く雲雀。
袋を取って目を輝かせる白蘭に溜め息を吐いて、独りでにシャツを直し始める。
まるで子供のように嬉々とする白蘭は、正直嫌いではない。




「待ってよ。どうせならこのままヤらない?マシマロも使って。僕、良い事考えたんだ」

雲雀の手を阻止してにこにことした笑顔のまま口にする言葉は幾らか卑劣。
やるかバカと睨み付けたら、そんな意思は通る事なく白蘭はマシュマロの袋を開けた。
こんな時の彼は、あまり好きではない。
雲雀の意思をするりと避けて、結局白蘭の思うように振り回される。
離せと抵抗していた腕を頭上で固定されて、白蘭の突き刺すような愛しい瞳が雲雀を見詰めた。




「マシマロって熱で溶けるの知ってた?」
「……当たり前…」
「じゃあ、話は早いね」

嫌な予感ばかりが脳裏を巡る。
普段はまるで子供なのに、どうしてこういう時ばかり雄になるのだろう。
子供の面と大人の面を持つ白蘭は、嫌でも雲雀の興味を惹いた。
見ていて飽きない、そんな彼。
きっと、この先もその興味から逃れられないだろう。






















愛なんてものよりも、雲雀にとっては興味のほうが大切だ。
彼に興味があるかどうか。
それだけでいい。
小さく聞こえた生々しい音と共に、雲雀の理性は脆く崩れていった。











.........end


ハロウィンまでに時間無くて病み上がりのまま必死にかきました…
なので余計に内容意味不明ですみません(。´Д⊂)
取り敢えず可愛くて危ない白雲を書きたかった事と(結局中途半端で終わっていますが)、ハロウィンとかって白蘭ノリノリでやってくれそうだなと^^
彼ならばどんな方向性でもイケるので、ある意味ディーノや骸より書きやすいかもしれません


白蘭が御曹司という設定いらなかった気がしますが、計画性皆無な頭してるので強引に省きました本当にすみませんorz
普段の白蘭は、きっと部下の桔梗ちゃん振り回して「ヒバリちゃんに会いたい。会わせてくれなきゃ仕事しない」とかなんとか言ってそうです。
白雲関連の桔梗ちゃんは基本的に二人の仲を繋げるパイプ役かなと^^
あれ、なんかディノヒバに似てr((


つまらない話をグダグダすみません






- ナノ -