悪魔と天使


※パロディ。
毎度の事ながら何が言いたいのかわからないような内容です。それでも宜しければ…。
因みにギャグも含みます。















「ねえ、あの魂美味しそうだよ」
「あなたバカなの?あんな気持ち悪い髪型した奴の何がいいの」

ふわりふわりと浮かぶ雲の上には、大きな大きな天界があって、その間を隔てる役割を果たす天使と悪魔。
天使ながらも、黒いトレンチコートを身に纏い、口に出す言葉は悪魔に近いものばかり。
けれど、淡い髪色をした彼の瞳はアクアブルーの酷く透き通るような純粋な瞳をしている。
変わって隣に立つ長身の悪魔。
艶やかな、指通りの良い短髪を風に遊ばせて、雲の上から下界を見下ろす天使に向けて呆れた声音で反発した。
黒いスーツに綺麗な紫色のシャツを身に纏う彼は、天使の指差す人間へ向けて趣味が悪いと顔をしかめる。
天使の名前はアラウディと言って、悪魔の名前は雲雀と言う。
そんなアラウディが見詰める先には、アラウディの瞳に黒が混じったような薄暗い蒼の髪色と、そして不思議な房を天辺に生えさせ、おまけに稲妻型の分け目が二本も揃っている。
見るからに不審な姿だが、寧ろ不味いんじゃないかとも思う程。
第一…




「餌を食べるのは僕だ。あなたの好みで決めないで」

天使が魂を食べる訳がないので、取り敢えず、きちんとしたセッティングを整えようとアラウディの思考にストッパーを掛ける。
けれど、内面悪魔の天使が素直にその常識に縛られる訳がないので、その顔は不機嫌そうに歪んだ。




「…僕だって興味あるんだよ。少し、食べてみたいなって」
「それが天使の口にする言葉かい?これを見てる読者に批判食らうよ」
「仕方ないよ、受け入れるまでだ」
「冗談じゃない。獲物を横取りされる悪魔の気持ちが分かるの」
「分かるさ。魂を天界に導く最中、君に邪魔されたんだからね」

スッと立ち上がるアラウディの瞳は、突き刺すかの如く雲雀を睨み付ける。
その視線にそっぽを向いて、奥歯を噛み締めた。
何百年も前の事を未だ引き摺っている所を見ると、こうして獲物狩りを邪魔されている理由もそこから来ているのだろうか。
しかし何とも未練がましい天使だ。
ひねくれ者だし、性格は悪魔にそっくりで。
一体全体何がどうして彼が天使になっているのだろうか。
背中を向けてぶつぶつと呟き始める雲雀に、アラウディは眉を寄せてその背中をつついてやった。




「何一人で言ってるの」
「……別に。どうして性格のひねくれた君が天使なのかなと思ってね」

その発言に怒るかとも思ったが、存外機嫌は変わらずに、変わりに口元が楽し気に緩んだ。
こんな気持ち悪い彼は見た事が無いと口元を引き吊らせていると、何処から表れたのか、アラウディの背後から少年が顔を出して、思わずその容姿に目を丸くした。
アラウディ共に、自らにも良く似た顔の少年は自分と同じ黒髪を持ち、背中には白い羽がばさりと生える。
自分の胸元辺り迄しかないその身長。
少年のふわふわとした黒髪を撫でながら、アラウディは衝撃的な事実を口にする。




「君と、僕の子供だよ」
「は…っ?」

思わず間抜けな声が漏れ、子供と呼ばれた少年を睨み付けるようにして凝視する。
いや、確かに。
人間界で言う性行為は何度もしているが、正直天使と悪魔はそんな行為で子供は産まれない。
天使は天使と、悪魔は悪魔と。
同じ種族同士ならば、互いの性を飲み下し、そして口付けを交わせば出来る…らしいが、正直天使と悪魔でなんて聞いた事が無い。(作者の妄想)
子供なんて産まれない、そう確信していたのに。
ただの深い口付けを何度もして、繰り返していただけなのに。
嘘だろと、本来喜ぶべき事実に雲雀は頭を抱えて座り込んだ。




「…嬉しくないの?」
「……いつ、産んだの…」

首を傾げるアラウディを無視して絞り出すかのようにして言葉を吐き、天使に抱き着く我が子の姿を遠い目で見詰めた。



「三日前」
「ぶっ」

早すぎる。
いや、まあ確かに天使だとか悪魔の成長は早いのだけれど。
何が早いって、子供を生んでからのアラウディの回復が早すぎる。
いくら天使と言えど、吐き気は数日残ると聞いたし、何より卵を口から生んで、暖める為に羽を毟る筈だ。(作者の妄ry)
けれど、そんな痕跡を微塵も残さないアラウディの姿に、雲雀は今一度溜め息を吐く。




「この子、恭弥って言うんだよ。見た目は天使みたいだけど、中身は悪魔だからちゃんと餌あげてね。人間の…新鮮な魂」
「…わかったよ。取り敢えず、あなたは天使なんだからそういう事言わないで。恭弥、行くよ」
「……何処に?」
「下界だよ。魂を…狩りに行くのさ」

アラウディの悪魔的な発言にストップを掛けて、恭弥の手を掴んで引っ張った。
雲雀が父親だという判断はついているらしく、素直に足を進めていく。
そして魂を狩るという雲雀の言葉に、昨日から何も口にしていない恭弥の喉が唾を飲み込んだ。
そして狂喜に歪んだ口元を見て、雲雀はああ、と溜め息を吐く。




「アラウディ…」
「なに」
「この子、いつか大魔王になるかもね」

そんな言葉を置いていって、雲雀と恭弥はばさりと羽を羽ばたかせ、狭い狭い下界へと降りていった。
本来ならば止めなげればならないけれど、アラウディは暢気に手を振って見送っていた。
しかし、大魔王とはどういう事だろう。
小さく首を傾けて、再び二人が戻ってくるのをアラウディはじっと待った。






........end

アラウディがバカっぽくてすみません…(ω)
というかアラウディからしてスペードさんは美味しく見えたんですね、成る程。
しかし恭さんには不評だったようです。
特長あるキャラにしようとしたら必然的にスペードさんが((
一応ヒバアラです。




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