I scarrd, am scarring and am scarred.
彼は存外意地が悪い。
「ほら、真琴」
「ん、ぅ、やだ・・・っ」
「やだじゃないだろう?真琴が乗ってくれないと、赤ちゃん潰しちゃうかもしれないぞ」
優しい声で、甘く言うのに、言っていることは意地が悪かった。
「でも、できな、ん、むりぃ」
「そんなことない。ほら」
「あァああ!」
下から叩くように突き上げられ、真琴は仰け反った。
「ほら、ここ。分かるだろう?」
「わかんなっ」
「真琴」
入れようとはしているのだ。しているのだけれど、どうしても怖気付いて臆病心が顔を出し、入れられない。
真琴は、涙ぐんだ。
お腹の子供を潰してしまいそうだからと、上に乗る形になったのを渋々ながらも了承した。けれど、どうしてもこの体勢だけはなれない。
それに、振動でやっぱりお腹の子がどうにかなっちゃうんじゃないか、とむくむくとネガティヴが顔を出してくる。払い除けてもやって来るのだからもうこれは真琴の性分だ。
「だって、真琴が入れてくれないと俺は入れないだろう。なぁ、早く入りたいよ。真琴」
ズルい。そんなことを言われたら、真琴は頑張るしかない。
自分よりも張り詰めた、まるで凶器のようなそれを両手で掴む。触る時に戸惑ってしまうくらい反り返って、硬いそれがいつも真琴の中を蹂躙するのかと思うと恐ろしくもあった。
「ん、」
腰を落とす。
だが、やっぱり中に入れることは出来ない。
われめのあたりをぬる、ぬると滑って中には入らなかった。
「ヘタクソ」
「そ、そんなこと言わなくたっていいだろっ?」
頑張っているのに、と腹を立てるが、宗介にしてみればヘタクソ以外のなにものでもない。秘部にはあたるのに、本人が怯えているのかいざ入れようとすると滑るなんて小学生でもしない凡ミスを何度もされては言いたくもなるというものだ。
「真琴」
ちょいちょいと手をこまねくと、素直に腕の中に飛び込む。
腹だけは大きいのにこんなところが可愛いのだ。さっきまで出来なくて、ヘタクソと言われて泣きそうだったのに。
頤を上げ、唇を重ねた。胸板に寄りかかる重みに、笑ってしまうのはご愛嬌。
隙間から舌を入れ、同じものを絡める。恐る恐るといったていで伸ばされる舌を一体何度絡めたか。それなのに未だ慣れないのが彼らしくもあり、宗介が可愛いと思うところだった。
ほんのりと頬には赤みがさし、とろんと目は蕩けて、おねだりするように上目遣いされる。可愛いくせに、淫ら。
その間に、既に臨戦態勢になって暴れ狂いそうな陰茎を持ち、真琴の狭い孔に合わせる。
真琴はキスに夢中だ。宗介の唇をはむはむと、可愛らしく食べている。
お返しに、唇を食らう。
「ふ、う、んっ、ん」
一生懸命答えようとしているが、気持ち良くなって応えられていない。
宗介は、真琴の秘部に挿入した。
「あ、ああぁあああンッ」
悲鳴のような嬌声があがる。
はくはくと、真琴は空気を求めた。突然の身を裂くような、中を貫く感覚について行けてなかった。
宗介は待ってやらず、下から突き上げた。
「こら、休むな」
「う、あ、あっ、あアッ」
奥深くを抉られる。
いつもより深くて怖かった。
真琴は、宗介の胸にしがみつく。
きゅっと胸板に抱き付いてくる様は可愛らしいのだが、逆効果だとは気付かない。
中に入ったままの陰茎が、大きさを増した。
「いっ、え、な、んで」
わけがわからないと、目を白黒させる。
分かっていないくせに、中は食らいついて離さないのだから天性のものか。こんなに淫らなのによくまあ今までセックスのせの字も知らなかったよなといっそ感心する。
「ほら、ちゃんと動け」
「んあっ、や、叩かないでっ」
「ん?のわりには、すげぇ締め付けてくるけど?」
お尻を叩くたびに、真琴の中はきゅんきゅんと悦んでいる。しかも、軽く叩くより思い切り叩いた方が締め付けがいいのだ。
「それに、ここも悦んでるぞ?」
先走りをだらだら零している真琴のペニスは、叩くたびに反り返る。
そして、小粒も。
宗介はとんがりをぐりぐりと押し潰した。まだ膨らみはない。
「んんん、そこ、だめ」
「んー?」
「ん、なめないで、あっ食べちゃだめっ」
「注文が多いな。そんなワガママ言うと、こうだぞ」
「んひぃいいいっ!」
一際奥を突き、同時に乳首を思い切り噛む。
すると、真琴は仰け反って嬌声をあげた。よく見れば、ペニスは悦んでいる。萎えないのか。
「おら、悦んでるくせにウソついてんじゃねえよ」
「いっ、いっ、あ、あアァアッ」
奥を突いてやると、真琴は頭を振りながらも悦んだ。ついでに、乳首も噛んで捻ってやると、自ら腰を振り出した。
ホントにコイツ大丈夫か?
「この淫乱が」
「やぁああっ、そこ、そこだめ、だめぇえっ」
反対の乳首もちゃんと引っ掻いて遊んでやる。
宗介は突いていないのに、自分でイイトコロにあて始めた。
「この・・・っ」
「んはぁああアッ、そこぉ、ああっ。あかちゃん、しんじゃ、しんじゃぁあああっ」
「おら、赤ちゃん死にそうなくらいいいのかよ!」
「イイッ、イイッ、そこ、もっとついてぇっ」
落ちた。
宗介は、にっとニヒルに笑った。
「確か、お前専門バックだったよな・・・っと」
「んひぃいいいいいっ」
身体を押し倒し、四つん這いに変えると、中をぐるりと掻き回されたことで真琴がイった。あひはひ言いながら痙攣している。
「何お前だけイってんだよ!」
「んぁあっ、イってぅ、イってうのぉ!」
逃げようとしたので、両手を掴んでガンガン突く。
逃げられもせず、奥を重点的に突かれて真琴は子供のことなど忘れていた。
「ああァッ。もうだめぇっ、だめだめぇっ」
「何がダメなんだよ」
「こあれちゃう、こあれちゃうの!」
よすぎて壊れると、すでに呂律が回っていないくせに何を。
そのくせ、尻を振っているのだから救いようがない。
宗介は真琴の身体を胸によりかかせた。
「なぁ、見ろよ。前」
そこには、蠱惑的な笑みを浮かべた宗介と、彼に貫かれ悦ぶ真琴の姿が映る鏡があった。腹の膨らんだ真琴が、宗介を咥えこんで離さない。
「ママはこんなにエッチなんですって、教えてやれよ」
「・・・や、いや・・・」
「嫌じゃねぇだろ、事実だろ」
「あ、あ、アアッ、ふ、ふかぃいい!」
鏡に映った自分の姿と、奥深くまで暴く宗介の肉棒に思考能力も残ってなかった。あるのは、もっと欲しいという肉欲だけ。
真琴は、宗介の顔を引き寄せ、唇を強引に重ねた。
「ちょ、だい。エッチな俺に、いっぱい。ね?」
「っの淫乱!」
「あァアッ、アッ、あ、はっん、んんっ」
飴玉を欲しがる子供宛ら、おねだりする妻はとんだチンポ狂いだ。
宗介は、罰の意味も込めて尻を叩いた。
「おら、謝れ。エッチなママでごめんなさいってよ」
「あ、ご、ごめんなさっ、ああんんっ」
「ハッ、他のやつに股開くなよ?そんなことしたら、子供を引きずり出してやる」
「しな、しないっ。そうくんの、そうくんのがよすぎるのぉっ」
「ばっ、」
「あ、あぁああアンんんッ」
真琴がイった直後、宗介も中に飛沫を叩きつけた。
「あ、ああぅうう」
アルファの射精は長い。確実に種付けするために、十分以上は続き、根元から零れないように瘤のようなものが出来る。
射精が終わる前に、真琴の締め付けに我慢出来ず、また突く。
「ああぅ、おなかっ、おなかいっぱい、あへっ、そうくんのぉっ」
「真琴っ」
射精が終わる頃には、真琴はあへあへ言いながら射精していた。
あへ顔だろうと、宗介にとってはとびきり可愛い顔でしかなく、またストロークを開始した。











情事後、真琴はぐったりとベッドに突っ伏していた。
宗介は絶倫だ。しかも、意地が悪い。行為中はつい気持ちよくて分からなくなるが、終わった後には身体を洗ってやると一緒に風呂に入って二回、逆上せた真琴を気遣ってベッドに運んでからまた三回。それでもまだまだ足りなさそうにしている。
真琴もついついあらぬことを言ってしまったりするが、それは宗介のせいだ。結婚してからは、腹に子がいるというのに所構わずヤりたがる。しかも、お腹の膨らんだ真琴に発情するという始末。
あのストイックな彼はいずこ。
「真琴」
シャワーから帰って来ると、覆い被さり、頭にキスをしてくれる。
凛が好きなんだと思ったこともあったが、そんな心配はとうの昔に捨てた。セックスだけでなく、甘えるのも所問わない。
髪に鼻を埋め、ぐりぐりと押し付ける。ちゅ、ちゅ、とキスを落として、「真琴」と甘くて優しい声が耳元で囁かれる。
「明日、ハル達と凛が来るって」
「やだ」
「そうくん」
「やーだ」
よく来てくれる友人達に敵意を向けるばかりではなく、邪魔だと言わんばかりに素っ気なく振舞ったり。兎に角、山崎宗介という男は独占欲が半端ではなく強かった。
嬉しくもあるが、遥や凛は真琴の友人でもあるので、ちょっとだけ呆れてもいる。もっと話したいとも思う。
だが、この蜜月を手放したくないというのも分かる気がするのだ。
こんなに大好きな彼が愛してくれることが愛しくてならない。
「そうくん、大好き」
「・・・」
「おやすみっ」
珍しく自分から言ったセリフに照れて、真琴は布団に潜り込んだ。きっと今頬は真っ赤になっているに違いない。
「って、ちょっと、そうくんっ?」
「今のは真琴が悪い」
「はっ?いや、もうムリだから!」
「諦めたらそこで試合終了だ」
「終了してください!」
「大丈夫、やれば出来る」
そして、もう一ラウンドどころか、友人達が来るまで挑まれ続けたのである。
友人に怒られて、喧嘩に発展する夫に、熱を出して倒れるのはそれからすぐのこと。
     
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