どうしたらいい
 たったそれだけでよかった。






どうしたらいい


1人目の刀剣
たすけてくれ

2人目の審神者
なんだなんだ

3人目の審神者
どうした?釣りか?

4人目の審神者
スレタイどうした

5人目の審神者
主に仕事をさせる方法か?

6人目の審神者
歌仙を頼ったらいいゾ

7人目の審神者
それおまえだろ

8人目の審神者
なぜバレタ…しかも秒…おまえ俺のファンかよ

9人目の審神者
お帰りください

10人目の審神者
すいませんでした

11人目の刀剣
歌仙でも無理ならどうしたらいい

12人目の審神者
スレ主か?歌仙でもダメなら一期とかいいんね?お覚悟してくれるゾ

13人目の審神者
スレ主じゃないだろ
俺はみっちゃんがオススメ
目の前でリンゴ握り潰されるとやる気がでるゾ

14人目の審神者
おまえらが普段仕事しないことだけはよくわかった

15人目の審神者
休憩中の俺はマターリ眺めてる

16人目の審神者
15>休憩長過ぎね?

17人目の審神者
16>な ぜ バ レ タ

18人目の審神者
はいはいテンプレテンプレ

19人目の審神者
ところでスレ主いなくね?

20人目の審神者
マ?

21人目の審神者
ほんとだ

22人目の審神者
おーい

23人目の審神者
おまえらが仕事しないから…

24人目の審神者
その節は申し訳ありませんでした

25人目の審神者
コイツら審神者になってなかったら…

26人目の審神者
それ以上言ってはいけない

27人目の刀剣
すまない、いいだろうか

28人目の審神者
審神者なってなかったら?アハハハハハh

29人目の審神者
もちつけ

30人目の審神者
ぺったんぺったん

31人目の審神者
なんということでしょう

32人目の審神者
みごとな連携

27>スレ主!コイツらのせいですまない!

33人目の審神者
誠に申し訳ありませんでした

34人目の審神者
今度話逸らしたら審神者返還して

35人目の審神者
誠に申し訳ありませんでした

36人目の審神者
慎んで拝聴させていただきます

37人目の審神者
お口ミッフィー

38人目の審神者
スレ主!話してくれ

39人目の刀剣
礼を言う
なにから話したらいいだろうか

40人目の審神者
なんでもいいぞー
わからんこととか気になったこととかはその都度きくしな!

41人目の刀剣
わかった

42人目の審神者
スレ主はコテハン変えたほうがよくないか?

43人目の審神者
スペックとかもあればいいな!

44人目の審神者
コテハン→〜人目の審神者のところ
スペック→スレ主の自己紹介

45人目の審神者
おまえらがやさしすぎてきもちわるい

46人目の審神者
テメーは俺らを怒らせた

47人目の審神者
だって……なあ?

48人目の審神者
わかりみ〜

49人目の審神者
突然の裏切り

50 山姥切
これでいいだろうか

51人目の審神者
まんば!

52人目の審神者
まんばちゃん!

53人目の審神者
やまんば!

54人目の刀剣
兄弟!

55人目の刀剣
兄弟!

56人目の刀剣
兄弟!

57人目の刀剣
兄弟!

58人目の刀剣
兄弟!

59人目の審神者
堀川派が怒涛の勢いで来た

60人目の審神者
これブッシーもいるのか?

61人目の審神者
さすがにいないだろ

いないよな?

62人目の刀剣
拙僧に何か用であろうか?

63人目の刀剣
拙僧を呼んだか?

64人目の刀剣
うむ、拙僧はここにいるぞ!

65人目の審神者
意外といた

66人目の審神者
最近の山伏はインターネッツも使えるんですね

67 山姥切
兄弟たちもいるのか

68人目の刀剣
兄弟、かねさんはいいのか…

69人目の審神者
このまんばつっこみおった

70人目の審神者
お気づきだろうか。このまんば、かねさんと呼んでいることを。

71人目の審神者
心がピョンピョンした

72人目の審神者
心が刀剣フレンズな気持ちになった

73人目の審神者
おまえら何言ってんの?

74人目の審神者
気にせず続けて、どうぞ

75 山姥切
スペックは書いた方がいいだろうか?
俺は他の俺とあまり変わらないと思うのだが

76人目の審神者
書かなくてもいいぞ!気になることがあればきくしな!

77 山姥切
わかった

78 山姥切
本題に入ってもいいだろうか

79人目の審神者
ドゾドゾー

80人目の審神者
待ってました

81 山姥切
できれば質問はあとに出来るものは後にしてほしい。重要だと思うことならきいてくれてかまわない。早いと追いつけない。

82人目の審神者
オッケー

83人目の審神者
みんななるべくお口チャック

84人目の審神者
おふざけもほどほどに

85人目の審神者
信用第一

86人目の審神者
そゆとこだゾ

87人目の審神者
さーせん

88 山姥切
少しずつ書いていく

89 山姥切
俺は初期刀だ。主は審神者になってかれこれ五年くらいになる。真面目で、優秀だと思う。

90人目の審神者
(おまえら見習えよ)

91人目の審神者
(ウィッス)

92人目の審神者
(いきなり心が痛い…)

93人目の審神者
おまえらお口チャック

94人目の審神者
うぃっすうぃっす

95 山姥切
これまで俺たちは何事もなくやってきたと思う。主は決して悪い審神者ではなかったし、抜きんでて優秀というわけではなかったが、別段不満はなかった。

96人目の審神者
(正直ブラ本案件ではなかったことに安心している俺がいる)

97人目の審神者
(同じく)

98人目の審神者
(俺も)

99人目の審神者
(同じこと考えてるやつがいた)

100 山姥切
それはない

101人目の審神者
すまん…

102 山姥切
かまわない。だが、似たようなことかもしれない。

103人目の審神者
は?

104人目の審神者
なんて????

105人目の審神者
え?

106人目の審神者
まさかピンク本丸?

107人目の審神者
検非違使さんお呼びする?

108人目の審神者
24だろ

109人目の審神者
間違えた

110 山姥切
すまない、紛らわしかった。
そうじゃない。

111人目の審神者
ホッ

112人目の審神者
ホッ

113 山姥切
続ける。
主は悪い人ではない。が、どちらかというとよそと比べて俺たちと距離を置いている節がある。

114人目の審神者
え、なんで?

115人目の審神者
最近脱いだり縛ったり変態系が多いから?

116人目の審神者
アッ(察し

117人目の審神者
それは距離置いちゃうよね…女の子ならなおさら

118人目の審神者
一部の刀剣へのあつい風評被害

119人目の審神者
やめてあげてよぅ!巨乳大好きなエロイヤルは放っておいてあげてよぅ!

120人目の審神者
119>おまえwww

121 山姥切
そういうことでもない。
あと主は男だ。

122人目の審神者
なんだ男か…

123人目の審神者
男か…

124人目の審神者
解散…と思ったけどちゃんときいてるから

125人目の審神者
後ろから本体持った堀川がニッコリ笑ってるんでお口チャックして

126人目の審神者
堀川…

127 山姥切
そこの兄弟は落ち着け

128人目の審神者
ありがとうごじああmす!

129人目の審神者
言えてないぞ

130 山姥切
続ける。
主は俺たちと距離を置くが、一線を引いているといったほうがいいかもしれない。武功にはよくやったと言葉をくれるし褒美もある。傷を負えば手入れをしてくれるし、案じてくれる。話しかけたらこたえてくれる。いないもののように扱われることはない。そういうところは他の本丸と変わらないだろう。

131人目の審神者
すげえいい審神者なんだけど

132人目の審神者
当たり前のことだけどな。まんばがここまで言うってだけでいいやつって伝わってくるよな。

133人目の審神者
俺の隣で見てた山伏が感涙して鼻かんでるんだけどめっちゃうるさい

134人目の審神者
それはしかたない

135人目の審神者
ゆるしてやれ

136人目の審神者
俺の堀川もじんわりきてるからしかたない

137人目の審神者
堀川いたけど、不穏な案件だったらと思っておつかいに行かせたわ

138人目の審神者
GJ

139人目の審神者
そうすればよかった

140人目の審神者
その手があったか

141人目の審神者
ちゃんねる系は刀剣に見せたらいけないとあれほど

142人目の審神者
見せてもいいのは爆笑ほっこり系だと言っただろ

143人目の審神者
いったい何人の審神者がここをうっかり見せて一期にお覚悟されかけたり、一期に泣きつかれたり、一期にお覚悟されかけたり

144人目の審神者
お覚悟されまくってるやないか

145 山姥切
主以外に仕えることはありえない。叶うなら、黄泉路に随行したい。

146人目の審神者
このまんば泣かせるやないか

147人目の刀剣
兄弟…

148人目の刀剣
兄弟

149人目の刀剣
兄弟!

150人目の審神者
堀川さんたち兄弟しか言ってなくない?

151人目の審神者
しっ

152 山姥切
俺は主の初期刀だから、主が審神者になったときから側にいた。長い時間苦楽をともにしてきたからなんとなくはわかるつもりだ。俺以外にもいるだろう。主が俺たちと距離を置いていることを察しているやつは。
だが、時折、ふと俺たちを遠くから眺めていることもある。その目は、嫌悪などはなかった。侮蔑や悪感情を含むならわかるつもりだ。曲がりなりにも長年主の側にいたし、肉体を得ていないころの昔の記憶もある。所謂本霊の記憶だな。
短刀たちは特にそういうものには敏感だ。しかし、あいつらは主を疑ったこともないだろう。だから俺も主が俺たちを嫌悪していないことを知っている。

153人目の審神者
なんだろうこの信頼関係
うらやましい

154人目の審神者
尊い

155人目の審神者
俺もこうなれるようがんばろ

156人目の審神者
俺、無理…
いっぱいいっぱい

157人目の刀剣
別にいいんじゃない?
俺たちはちょっとやそっとのことじゃ見捨てないよ。あーやだなーとかやりたくないなーとかつかれたーとか思うこともあるけどさ。やっぱ主は捨てられないんだよ。

158人目の刀剣
それに主ががんばってるのはわかるしね

159人目の刀剣
まあサボったり雅ではないけどね

160人目の審神者
歌仙んんん!

161人目の審神者
初期刀歌仙の俺氏無事死亡

162人目の審神者
俺の初期刀が世界一カッコよかった件について

163人目の審神者
ぐうわかる

164 山姥切
自分のペースでいいんだ。迷惑かけられるくらいでちょうどいい。

俺は主について少し他より理解しているつもりだ。初期刀の特権だろうか。主は俺たちと距離を置きながらも、気付けば遠くから見ていることがある。多分、羨ましいのだと思う。直接きいたことはないが。

165人目の審神者
羨ましい?距離おいてんのに?

166人目の審神者
まんばの話きく限り、話したくないってタイプでもなさそうだしな

167 山姥切
俺たちも人の身を得ている。戦に明け暮れることもあるが、だからと言って人の営みに興味がまったくないわけではない。人の身をもっていなかったころに見聞きしたものややりたかったことだってずっとあった。歴史修正主義者の動きが活発ではないときや手が空いているときは人のように遊ぶこともあった。遊びだけじゃない。畑をいじったり、馬の世話をしたり、まるで人のように生活している。
それは審神者であるあんたたちもわかるだろう。
主が俺たちを眺めているときは、決まってそうやってみんなで何かをやっているときだ。遊んでいたり、馬の世話をしたり、料理をしたり。そんな俺たちをよく見ていることが多い。特に兄弟や同じ派閥で一緒にいるときが多いように思う。

168人目の審神者
あーたしかにみんなでワチャワチャしてたりするとかわいいなーとか俺も俺もーおか思うわ

169人目の審神者
なお、粟田口短刀に混ざる時は要注意

170人目の審神者
お覚悟案件お手の物

171人目の審神者
混ぜるな危険

172人目の刀剣
お覚悟されたい主は何処におりますかな?

173人目の審神者
ヒェッ

174人目の刀剣
俺も、狐の端くれだからね?

175人目の審神者
待って

待って

176人目の審神者
今なんか鳴かない狐の本体がいた

177人目の審神者
お供じゃない方がいた

178人目の審神者
叔父上ェ

179人目の刀剣
俺っちたちも忘れてもらっちゃ困るんだよなぁ

180人目の刀剣
馬糞投げればいいんですよね?知ってますよ!

181人目の審神者
粟田口が本気でアップし始めてるんですが

182人目の審神者
待て。話せばわかる。

183人目の審神者
まんばぁあああああ続きを!続きを!

184 山姥切
よその粟田口落ち着け

185 山姥切
主が俺たちと距離を置きたいと思ってるならそれでよかった。少しさびしいと思うが、不満はなかった。無理に詰めるものでもなかったしこれから時間はいくらでもある。この戦いが終わるまで時間はある。それが今日か明日かもしれない。だが、人の身を得たといえども俺たちは人ではない。別れには慣れている。
もし今離別の時が来たなら、埋められなかった距離に寂しい思いをしながら本霊へ還ることになるだろう。臆病なのかもな。けど、今すぐにどうこうしようとは思わなかったんだ。今に満足していたからだろうか。

186人目の審神者
うん。わかる。わかるよ。

187人目の刀剣
まあ俺たちは人じゃないからな。そんなこともあるさ、くらいの気持ちでいる。だてに長く生きていないさ。人よりものすごく長生きしているからな!

188人目の刀剣
たまに主と時の使い方で意見が分かれるな

189人目の刀剣
僕たちも微妙な立場ではあるんだよね。あくまでも審神者に仕える刀剣で、式神みたいなものだけど、末端のはじっこに親指でがんばってしがみついてるみたいなものだけど神ではあるし。どこかで神として人間を格下に見ているところはあるよ。それは長年見て来たって言うのもあるね。

190人目の刀剣
なんというか……人の成長を親とか祖父とか、多分それよりもっと上の世代の目線で見てるな。

191人目の刀剣
一番年下のかねさんでもこうなんだから、僕たちもそうなっちゃうよね

192人目の刀剣
191>なんで俺だとわかるんだ

193人目の刀剣
堀川だからね

194人目の刀剣
堀川だからな

195人目の刀剣
ま、こんなかんじかな。俺たちは。

196人目の審神者
いっしょに見てた初期刀の蜂須賀にきいたら当然って顔された

197人目の審神者
俺も

198人目の審神者
俺の長谷部も

199人目の審神者
長谷部もかよ

200人目の長谷部
確かに俺たちは主を敬い、仕えております。ですが、それは歴史修正主義者を倒すための本丸の主だからです。俺たちを率い、戦を指揮し、敵を倒す。その将である主を敬わないことなど出来ましょうか。

201人目の長谷部
しかし、俺たちはあくまでも神。人ではないのです。人を主とし、仕えることは出来ますが、人は神ではない。その一点において、まずもって異なるのです。

202人目の長谷部
だからといって、この忠誠に嘘偽りなど微塵もありません。主のためならば焼き討ちだろうと手打ちだろうとご随意に。

203人目の審神者
怒涛の長谷部だった

204人目の審神者
そして最後

205人目の審神者
そこは突っ込んじゃいけないとこ

206 山姥切
俺も同じだ。そんなこともある、くらいの気持ちでいる。
一月前までは。

207人目の審神者
急に不穏になるのやめて

208人目の審神者
うわびっくりした!急に不穏になった

209人目の審神者
ここでスレタイ回収?

210 山姥切
一月前、見習いが来た。人のいい男だ。この本丸ではじめての見習いだった。
俺たちは連絡を受けた日から準備を進めた。
主も殊の外嬉しそうにしていた。見習いが来る前から浮足立っていたし、実際に会って、前よりも笑うようになったと思う。
そんな主を見ていて、俺はなんとなく気付いた。主が俺たちを羨ましがっていた理由。そうだ。どちらかというと、俺たち堀川や粟田口、源氏、虎徹を見ていることが多かった。
主は兄弟が欲しかったんじゃないかと思う。事実、見習いを弟のように可愛がっていた。なにか不便はないかとよく訊ねていたし、何かが出来るようになると頭を恐る恐ると撫でて、それはもう顔を綻ばせていた。

211人目の審神者
兄弟かぁ

212人目の審神者
仲良いもんな…一部のぞいて

213人目の審神者
しっ

214人目の審神者
それを言ってはいけない

215人目の審神者
源氏かな?虎徹かな?

216人目の審神者
虎徹だろ

217人目の審神者
お兄ちゃんは名前を覚えられないだけです

218人目の審神者
致命的にな

219人目の審神者
兄者ぁああああ!

220人目の刀剣
どこの弟丸かな?

221人目の審神者
それはたぶんどこの弟丸でもありません

222人目の審神者
とうとう刀剣であったことすらわからなくなったか

223人目の審神者
軽率にマネをしたことを猛省している

224人目の審神者
だからあれほど兄者の物忘れをバカにしたらいけないと

225人目の審神者
(虎徹には誰もつっこまない)

226人目の審神者
蜂須賀だからな

227人目の審神者
蜂須賀だから

228人目の審神者
しょうがない

229 山姥切
蜂須賀が長曾祢に贋作と言っているところに出くわすと決まって罰が悪い顔をされる

230人目の刀剣
全部あの贋作のせいだ

231人目の審神者
おwまwえw

232 山姥切
罰が悪い顔をするなら最初から言わなければいいんじゃないか

233人目の刀剣
俺のせいじゃない

234人目の刀剣
そうだ贋作が悪い

235人目の刀剣
あいつが贋作だから

236人目の刀剣
まったくだ

237人目の刀剣
せっかく素晴らしい刀工による素晴らしい刀なのに何を好き好んで贋作を名乗ってるんだあの贋作

238人目の刀剣
そうだそうだ

239人目の刀剣
もっと言ってやれ

240人目の刀剣
本来なら贋作と言われることもないほど素晴らしい一振りなのに

241人目の審神者
怒涛の罵倒かと思ったらいつのまにかブラコン発症してたでござる

242人目の刀剣
いっしょに見てた兄ちゃんがめちゃめちゃ桜出してる

243人目の刀剣
兄ちゃん生きて

244人目の刀剣
これだから蜂須賀の兄ちゃんは

245人目の刀剣
辛うじて生きている

246人目の刀剣
息はしていないが問題ない

247人目の審神者
wwwwww

248 山姥切
巻き込まれる身にもなれ

249人目の審神者
おつ

250人目の刀剣
兄弟に差し入れしたい

251人目の刀剣
兄弟を労わりたい

252 山姥切
自分のところにしてくれ

253人目の審神者
刀剣ってめちゃめちゃブラコンだよな

254人目の審神者
俺の弟なんてたまにブタを見るような目で見てくるんだが

255人目の審神者
働け

256人目の審神者
俺の妹はオラオラ命令系で怖い

257 山姥切
俺たちはそういう蔑む感情があまりわからないだけだ。一部除いて。

258人目の審神者
後半に含むものを感じた

259人目の刀剣
全部贋作のせいだ

260人目の審神者
だからおまえはwww

261 山姥切
話を戻す。

主が嬉しいなら俺たちも嬉しい。弟が出来たようで喜んでいるのならよかったと思っていた。
だが、俺は聞いてしまった。見習いが乗っ取りを企てているという話を。

262人目の審神者


263人目の審神者
は?

264人目の審神者
マ?マ?

265人目の審神者
乗っ取り?なんで?

266人目の審神者
ほんと乗っ取りする人達の気がしれない

267人目の審神者
自分の本丸持ちたいって思わないんだろうか

268人目の審神者
レベルカンストの最強装備で魔王に挑んでも、おまえのレベルは1だと言ってるでしょ

269人目の審神者
それなんだよなぁ

270人目の審神者
なんでわかんないんだ?

271人目の審神者
呪具を使うって話もきくけど、信頼関係とかってそうそう一朝一夕で出来るものじゃないし。長くやればやるほど信頼関係が大事になってくるんだよな。

272人目の審神者
それ

273人目の審神者
あとから来た刀剣も、その信頼関係がないと…

274人目の審神者
たとえば不動あたりは…

275人目の審神者
お察し

276人目の審神者
粟田口とかな

277人目の審神者
いくら仕えてても神は神ってわかるところ

278人目の審神者
あいつらが使われてた時代って戦のあった時代だろ。だから考え方もそのときによってるとこあるよな。

279人目の審神者
わかりみ〜

280 山姥切
間違いだと思った。聞き間違いであってほしかった。弟が出来て嬉しそうな主のあの笑顔が悲しみに歪むかと思うと、主にも言えなかった。なにが初期刀だ、近侍失格だ。これで主になにかあったら俺は刀解されるだろう。
それから見習いの様子を注意して見ていたが、おかしな様子などなかった。きっと何かの間違いだ。だが、自分の耳を否定も出来ずに無為に過ごしてしまった。やっと平野に話すことが出来たのもだいぶ経ってからだった。
平野は俺の次に鍛刀で来たから、兄弟よりも話しやすかった。
平野と話し合った結果、ここへ相談してみることにした。担当は見習いがこの本丸へ来た数日前から出張へ行っていて、長期にわたるからと顔を出せないことは告げられていた。今は連絡も出来ない。
担当に相談出来ればよかったんだろうが、ないものには頼れない。
そこで、本題だ。どうしたらいい。

281人目の審神者


282人目の審神者


283人目の審神者


284人目の審神者


285人目の審神者


286人目の審神者


287人目の審神者


288人目の審神者


289人目の審神者


290 山姥切
やはり俺が写しだからか

291人目の審神者


292人目の審神者
今初めてこのまんばが写しって言ったことに気付いたけど待ってそれどころじゃない

293人目の審神者
え?これって担当グル?グル?

294人目の審神者
めちゃめちゃ24案件じゃないですかーやだー

295人目の審神者
24でオケ解散

296 山姥切
待て

297人目の審神者
だって乗っ取りでしょ?

298 山姥切
まだ決まってない

299人目の審神者
でも不安があるならしたほうがいいよ

300人目の審神者
そうそう何かあってからじゃ遅いし

301 山姥切
間違いであったときに主と見習いの関係を壊すことになる。それは俺の本意じゃない。

302人目の審神者
う〜ん

303人目の審神者
そのくらいで壊れるならそれまでって気も

304人目の審神者
まあでも近くで見てたまんばが一番冷静になろうとしてるんでしょ。兄弟を羨ましがってた主に弟のような人が出来てよかったって言ってた矢先だし。

305人目の審神者
だけど乗っ取りかもしれない

306人目の審神者
きき間違いかもしれない

307人目の審神者
結局はそこどうにかしないと始まらない

308 山姥切
すまない。俺のわがままだと分かっている。だが、出来ることなら何事もなかったかのように終わらせたい。

309人目の審神者
わかるけど…

310人目の審神者
いや希望薄いだろ

311人目の刀剣
平野には話しているとのことでしたが、ならば話は簡単です。平野に偵察させればよろしいかと。

312人目の刀剣
そうだな。他にも短刀たちがいればいいが、あまり大勢に知られたくないだろうしな。

313人目の刀剣
あんまり大勢で動いてもバレるだろうしな

314人目の刀剣
平野だけで十分!ボクたちの本気みせてア・ゲ・ル

315人目の審神者
乱ちゃん!

316人目の審神者
かわいいよ乱ちゃん!

317人目の審神者
乱たん!

318人目の審神者
乱たそ!

319人目の審神者
乱さまぁっ!

320人目の刀剣
お覚悟

321人目の刀剣
お覚悟

322人目の刀剣
お覚悟

323人目の刀剣
お覚悟

324人目の審神者
長兄が本気を見せて来た

325人目の審神者
長兄をなめてはいけない

326人目の審神者
ささささーせん!

327人目の審神者
まっていちにいうちのみだれちゃんもかわいいほぎゃぁぁあああ

328人目の審神者
全然惜しくない審神者を失った解決

329人目の審神者
かwいwけwつw

330人目の審神者
やっぱり24がいいと思うけどな

331人目の審神者
まずは様子見じゃねーの?

332人目の審神者
だけど遅くなったら

333人目の審神者
まんばは望んでないからなぁ

334人目の審神者
まずは偵察だろ。平野に数日潜伏させたらハッキリすんじゃね?

335 山姥切
平野に偵察か。相談してみる。少しの間席を外す。

336人目の審神者
はーい

337人目の審神者
ちゃんと話し合えよ

338人目の審神者
さておまえら

339人目の審神者
ん?

340人目の審神者
後ろの堀川は大丈夫か?

341人目の審神者
正直全然大丈夫じゃないですね

342人目の審神者
さっきから後ろの堀川がニッコリどす黒いの出してるんですけど
おまえそんなもの出せたの?

343人目の審神者
山伏がめっちゃ怖いんですがあのあの

344人目の審神者
山伏怒ることないからめっちゃ怖そう

345人目の審神者
真剣必殺ですらカカカな山伏が

346人目の審神者
修羅

347人目の審神者
堀川でよか……いやよくねーよ

348人目の審神者
俺はかねさんだぜ
あのかねさんが息をするのも無理なくらい殺気を出してますね

349人目の審神者
生きろ、そなたはさして美しくないが

350人目の審神者
そこは嘘でも美しいって言ってよォ!

351人目の審神者
すまん、かあちゃんに嘘は泥棒のはじまりだって教えられてきたから

352人目の審神者
教育の行き届いたお子様ですね





「平野。少しいいか」
「はい。では、いちにい。失礼します」
 長兄はこちらへ頭を下げて、後にした。姿が見えなくなるまで見届けて、小さな歩幅が歩み寄る。その目は、一刹那で打って変わり鈍い光のようなものを走らせていた。
 念の為と場所を移動し、人目につかない場所へ移る。平野にも偵察をしてもらい、あたりに人気がないことを確かめさせた。
 こんなときだというのに、短刀というのは便利だなとのんきに思った。ただびとよりは気配に聡いと自負している。それはすべての刀剣が同じだろう。短刀はそれを更に上回り、身軽さを利用して思いもよらないところまで気配を隠して敵を観察する。戦場に出れば誰しもが考えを改めるだろう。守るのではないのだと。人の身を得ることはそういうことなのだ。
 最初はうまく扱えなかった肉体も今では人のよう。同位体の違いにも慣れた。演練で布を被っていない同位体に出会ったときは恐ろしいようなよく分からない感情で埋め尽くされてしまい、主の後ろに隠れることしか出来なかったが、今なら無様を晒すことはないだろう。
 同位体でも違うのだ。短刀と打刀というだけでも大きな違いだろう。刀工も違うのだ。
 彼らはその小さな体を上手く扱い、身軽に戦場を駆けぬける。
 だが、彼らにも不得手なことはあり、真正面から討ち合うのは得意としない。どちらかといえば油断や隙を狙うのだ。
 自分達とは働きが違う。そう理解するのには少しだけ時間が必要だった。主は最初から気付いていたようだが。
「お待たせいたしました」
 偵察を終え、戻った平野を出迎える。外に気を配り、ようやく視線を外したがまだ気は抜けなかった。
 相談の結果を報告すると、賛成だと頷いた。
「通報できるのならした方がいいでしょうが、僕も山姥切さんと同じです。主の笑顔を壊す真似は避けたい」
 山姥切の次に本丸に降りた平野は、長いこと苦楽をともにした。二人で審神者を支え、慣れぬ人の身に悪戦苦闘し、ともに喜びを分かち合った。そのためか、兄弟たちよりもお互いが分かり合っている節があった。
 平野も主の心を山姥切ほどまでには分からずとも思うところがあったのだろう。
 二振り目が平野でよかったと、山姥切は思う。他でも上手くやれただろう。けれど、いつもそう思った。
「おまえに任せきりになるが、いいか?」
「僕にしか出来ないでしょう」
 それに、と平野は声を努めて潜めた。
「山姥切さんには[[rb:僕より重要な任があるでしょう > ・・・・・・・・・・・・・・]]」
 山姥切の表情に、険が宿った。
 あまり見せない表情に平野の気も引き締まった。
 普段、綻ぶこともそうそうないが、かと言って険しい顔つきもあまりない。戦の時くらいだろう。鬱々としているのがもっぱらだ。
 それか――
 思い至って、首を振る。
「山姥切さん。よろしくお願いしますね」
 その言葉に込められた意味を正確に読み取って、頷いた。





413人目の審神者
遅いな

414人目の審神者
おそいなー

415人目の審神者
まあ話し合いっていうくらいだから遅くなるだろ

416人目の審神者
スレもそんなに進んでないから保守するほどでもない
しとく?

417人目の審神者
そうだなー

418人目の審神者
干し柿のほ

419人目の審神者
いきなりなにw

白魚のし

420 山姥切
待たせたな

421人目の審神者
弓弦の、ってまんばちゃーん!

422人目の審神者
まんば!

423人目の審神者
おかえり!

424人目の審神者
待ってたよ!

425 山姥切
待たせてすまない。ひとまず報告だけさせてくれ。
平野は承諾してくれた。すぐに任についてくれた。

426人目の審神者
よかった

427人目の審神者
何もないことを祈ってる

428人目の審神者
むしろ釣りであることを祈ってる

429人目の審神者
それな

430 山姥切
俺もこんな形でここへ書き込むとは思っていなかった

431人目の審神者
まんばがスレたてするのも珍しいよね

432人目の審神者
しても布とられないようにするにはどうしたらいいかとか

433人目の審神者
主に仕事をさせるにはどうしたらいいかとか

434人目の審神者
ウッ頭が!

435人目の審神者
持病の仕事をしてはいけない病が

436人目の審神者
ママ!これも仕事だってば!

437人目の審神者
おまえらは一度刀剣に感謝と土下座しろ

438 山姥切
俺はこれから主の下へ行ってくる。そろそろ主が探すかもしれない。

439人目の審神者
オケオケ

440人目の審神者
また来るの?

441 山姥切
何かあったら報告する
あまり来過ぎてもな

442人目の審神者
いつでも来ていいんだよ?

443人目の審神者
いつでもいるんだよ?

444 山姥切
仕事しろ

445人目の審神者
とうとうスレ主のまんばにまで言われた

446人目の審神者
うちのまんばは力技だから新鮮

447人目の審神者
おまえ…

448人目の審神者
じゃあ保守でもするかー

449人目の審神者
ほっしゅっしゅ

450人目の審神者
しゅぽっぽ

451人目の審神者
しゅっしゅぽっぽ

452人目の審神者
保守じゃないw





 たったそれだけでよかった。

 覚えているのは、今と変わらない穏やかな目。否。穏やかというより、落ち着いていると言うべきか。
 人の子にしてはやけに言葉少なというかなんというか。事実、他者よりも大人びているという言葉をよくもらうようなので間違ってはいない。
 よろしく。差し出された手を取った。
 それが、初めて感じた人の温度だった。
 人の営みはそう悪くはなかった。慣れぬことばかりだったが、一人じゃなかったからかもしれない。と月並みなことを思ったものだ。眺めるだけだったそれがいざやってみると難しいのなんの。おかしくてならなかった。
 何故そんなにも難しいのかわけがわからなかったが、なるほど。やってみるとわかる。難しい。人の身というものはままならないものなんだなとのんきに思ったものだ。
 その日のうちに降り立った二振り目と笑い合ったことは記憶に新しい。
 しばらくは主と刀剣二振りだけの生活だった。出陣しては歴史修正をなんとか食い止めて、政府から出る支給品や給料で食い扶持を賄って。徐々に仲間か増えていった。
 もっとも人の営みを見ていたのは少し前までの話で、その頃より時代は進んでいるのだと知った時の衝撃といったらなかった。人も進化するのだ。米の炊き方、掃除、洗濯。どれかひとつをとっても見ていたものと全く異なった。
 家事などまったくしたことがなかった主に教えてもらうことも出来ず、ネットやらなんやらをあれこれ見ながらやったものだ。
 その頃から主は距離を置いていた。最初からだ。
 どうして。
 そう訊けばよかったのだろう。そうしなかったのは、自分達だ。
 人間の一生は短い。分かってはいても人の身を得、人の営みを送っていると長いように感じてしまう。このままずっと続いて行くようにも感じられたのだ。だからいつかでいいと先送りにした。今日か明日か。いつ戦が終わり、本霊へ役目を終えて還ることになるか。分かっていたけれども。
 急くことはない。大丈夫だ。そう言い聞かせていたのだろうか。
 少し物寂しくはあった。距離を置くくせに、こっちを見ているのだ。羨望が混じっているのだと気付いてからはなおのこと。
 こちらへ来ればいいのに。声をかけて交わればいいのに。
 拗ねていたのだろうか。こちらを見ているのに距離を置くから。
 否。
 違う。違うのだ。そうではない。
 刀剣と距離を置く。主従の分別をつけるためなどではない。そこにあるものに気付くのは先のこと。それでも、そのときは直感した。
 距離を置いて、眺めるその目を見た。何度も何度も。羨望を含んだそれを。幾度となく向けられ続ける目。
 羨望、嫉妬。ああ、醜い。醜いものだ。けれど。
 不思議と主の目は嫌な感情を抱かなかった。羨望を向ける先は、いつだって自分達。
 何を羨むことがあろうか。瞬きのような煌めきを放ち、それこそ流星のような星々であるのに。昔から人は星だった。だのに、美しい人が何を羨むことがある?
 神に、何を。
 だから、たったそれだけでよかった。





465人目の審神者
保守

466人目の審神者
あんまりまんば出てこないな

467人目の審神者
もうすぐ今日終わるぞ

468人目の審神者
何かあったら来るって言ってたから知らせがないのは多分いいこと

469人目の審神者
だな

470人目の審神者
ほーしゅ





「主!」
 耳を劈くような声。どことなく落ち着いた雰囲気を持ち合わせている近侍の顔に、現実味を帯びてきた。戦の時ですら見せない表情だ。
 ごう、と何処かで音がした。それが何か分かるようで、まったく分からなかった。
 道場ですらないのに、本体の鯉口をカチャリと音立てる。まだ頭が追いつかないのに、背中を見せた近侍が現実を次々頭へ詰め込んで行くようだった。
 何が起こっている?
 ようやく考えたときには、近侍の顔も見えなかった。
 今、どんな顔をしているんだろう。言葉尻だけとらえればなんとのんきなと呆れることだろう。しかし、心臓は嫌にずしんずしんと重く響いていたし、手は尋常ではないくらい震えていた。
「主。刀は持っているか」
 刀。たったそれだけの言葉も思い浮かばなかった。何を言っているのか、同じ言葉を話しているのか。言葉が通じていないのか。
「主!」
「も、持ってる!」
 いつにない声音で叱り飛ばす様に怒鳴られ、慌ててこたえる。すぐさま刀がインプットされた。
 たてかけておいたそれを部屋の隅から這う這うの体で手にした。部屋にいるときにはあまり持たないそれは、いつも持っているはずなのに現実的ではない重みがあるようだった。鯉口を切ると、鈍い光が一瞬顔を出す。刀身を視界におさめて、さっと閉じた。
 持ってる。心の裡で、もう一度。
 使い方は知っている。いざという時のために、身を守れなければならないと教えてくれた。
 身の守り方。戦い方。――殺し方。
 本当は知らない方がいいのだと言う。刀の使い方を知っておけと言った口と同じもので言った。戦うことを知らない方がしあわせなのだと。
 けれど、ここはもう戦場だ。守るために彼らがいるといえども限界はある。だから知らなければならないと。
 必死に習ったことを思い出す。思い出すはしから流れていった。
 どうしよう。震えはやまない。むしろいや増すばかりだ。
 止まれ。止まれ。止まって。
「主」
 ふと、頭上から声が聞こえる。
 努めて和らげたのだとわかった。
「落ち着いてくれ。将は、あんただ」
 まるで、大丈夫だと言うように。山姥切なりの檄だ。
「俺たちはやわじゃない。折れても一矢は報いてみせる」
 だから。
「立て。俺は、守れない」
「……うん」
 守れない。
 そうだ。山姥切は守れない。
 審神者のすぐ隣で敵と戦い、屠り、道を開き、時には襲いくる敵を蹴散らす。身命を賭して審神者を守ろうとするだろう。
 けれど、守れない。その時があるだろうことを知っている。
 今じゃないかもしれない。
 今かもしれない。
 己の身は己で守らなければならない。山姥切に手を引かれている間、ただ刀を大事そうに握りしめて震えているだけではだめだ。
 わかっていた。いつか本当に切る時が来るかもしれないということを。本当に来たのだ、今。
 ゆっくりと息を吸う。いっぱいの空気を取り込み、大きく口を開く。
「全員、敵を倒せ! 主命である!」
 まだ俺は生きているぞ。
 刀剣達へ、言葉を込めた。
 目線だけこちらに向けた山姥切が、ふと口元を緩めた。上出来だ、と笑う。
 足は未だに震えている。
 刀を振るう心構えは途中だ。
 手を引かれているだけで、邪魔にならないようにするのがせいいっぱいだった。
 ごう、ごうと正体を現した轟々と燃え盛るそれが恐ろしくてならない。
 あちこちで剣戟の音がする。その中を突っ切る。彼らを置いて、自分だけが逃げるために。

『何かあったら俺たちを置いて逃げろ。惑うな』
『あんたを生き残らせるために俺たちは仮初の命を賭ける』
『あんたは逃げ切らなければいけない』
『頼むから。俺たちを敗北させないでくれ。勝たせてくれ』

 そうだ。知っている。
 頭がすっぱくなるほど、耳にタコができるほど教えられた。刀剣の誇りを嫌と言うほど。

『僕は主の最期を飾るための刀にはなりたくありません』

 二振り目の刀にすら言われたことだ。だから、逃げなければならない。逃げて逃げて逃げて逃げて、命の安全が保障されるまで逃げ続けなければならない。
 たとえ、痛みに呻く声が聞こえても。通り過ぎるのだ。その横を。
 この手を引く彼だけを信じて。
 この手すらも、離れてしまう時まで。





531人目の審神者
いくらなんでも遅くね?

532人目の審神者
定期報告くらいはあると思ってたんだけどなぁ

533人目の審神者
もう少し待ってみようぜ

534人目の審神者
24しなくていい?さっきから24しそうなんだけど俺の手

535人目の審神者
もう少し待とう

536人目の審神者
それで来なかったら24だ

537人目の審神者
遅かったなんてことはないよね?

538人目の審神者
さすがにないだろ

539人目の審神者
まんばが無事でありますように

540人目の審神者
不吉なことを言うんじゃない





554人目の審神者
いくらなんでも遅いだろ

555人目の審神者
だな

556人目の審神者
誰か24してくれ

557人目の審神者
ひとりでいいの?

558人目の審神者
大勢がいいかな

559人目の審神者
大事にしたくないかんじだったけどみんなでしたほうがいいだろ

560 山姥切


561人目の審神者
待って

562人目の審神者


563人目の審神者
まんば!?

564人目の審神者
まんば大丈夫か!

565 山姥切
まだつうほうするな

566人目の審神者


567人目の審神者
大丈夫なのか?

568 山姥切
大丈夫じゃない
でも通報するな

569人目の審神者
は?

570人目の審神者
大丈夫じゃないのに通報するなってなんで?

571人目の審神者
落ち着け

572人目の審神者
まんば、状況説明できるか?

573人目の審神者
まんば、主は無事か?

574人目の審神者
見習いはどうなった?

575人目の審神者
まんばー?

576人目の審神者
まんば?

577人目の審神者
まんば?

578人目の審神者
おいこれ大丈夫なのか?

579人目の審神者
本人、だよな?

580人目の審神者
本人の端末からだろ

581人目の審神者
通報するなってなんでだ?

582人目の審神者
どうする?

583人目の審神者
どうしよう

584人目の審神者
どうしたらいいんだ





 視界がおぼろげだった。辛うじて、腕の中の存在だけは分かった。離れないように確と抱き締めていた。
「…ば、……」
 微かな喘鳴が漏れる。
 こたえる気力もなかった。
 戦うためだけに仮初の肉の器に押し込められた自分達よりも体力がないのは当たり前なのに、すっかり頭から飛んでいた。主のことも考えずここまで来てしまった。この身ですら必死に記憶を繋げているようなものなのだ。人の子である主が辛くないはずがなかった。
 細い手が弱々しい力で腕を握った。温かいのか冷たいのかも分からなかった。
 その手はカリカリと死を前にした猫が爪立てるように、腕を何度か掻いた。力が入らないのだ。気付くのにも時間がかかる。思っていた以上にこの身も限界を訴えていたようだ。
 ああ。あのとき初めて感じた体温がこんなにも遠い。
 皆は無事だろうか。無事だといい。それが希望でしかないと分かっていても抱かずにはいられなかった。
 途中、幾振りかを見た。交戦中の仲間は視線だけ寄越した。それも一瞬、すぐさま目前の敵へ切りかかって行った。
 言葉もかけず、横を通り過ぎた。戦いもしなかった。たった一振りで戦っている仲間もいた。どれもこれも全部見捨てた。
 そのたびに、握った手が強く握り返された。ほんのわずかの逡巡、立ち止まりかけては足をとめまいと力を込めていた。
 それでいい。
 見たか、仲間達のあの目を。あんたが生きている、大丈夫だと安心したあいつらを。
 そして、強く敵を見据えるあの目を。
 見せてやりたかった。出来ることなら、立ち止まってあいつらの雄姿をその目におさめさせてやりたかった。死ぬほど嫌がっても。
 きっと心がぐちゃぐちゃになるくらい傷付いているだろう。置いてきたことを悔やんでも悔やみきれないだろう。
 それでいい。置いて行け。
 苦しいだろう。泣きたいだろう。泣きごとひとつ言わなかった。立ち止まらなかった。慟哭も嗚咽もなかった。
 覚えていてくれ。これが俺たちの誇りだ。





794人目の審神者
鳴くよウグイス平安京と言えない雰囲気

795人目の審神者
いったじゃねーか

796人目の審神者
まんばたち大丈夫かな

797人目の審神者
みんな無事で笑って集合写真送ってくれますように

798人目の審神者
もう24したい俺がいる

799人目の審神者
同じく

800人目の審神者
俺もしたいけどさぁ!もしまんばたちに不利に動くとしたらって思うと出来ないんだよ!

801人目の審神者
まんば〜帰ってくるんだ〜

802人目の審神者
沙汰がないのはいいこといいこと…

803人目の審神者
言い聞かせるんだ

804人目の審神者
そうそう

805人目の審神者
いいことーいいことー

806 山姥切
心配させているようで、すまない。
あまり報告できることはないが、無事だとだけ言っておく。

807人目の審神者
まんば!?

808人目の審神者
まんばちゃん、大丈夫なの?

809人目の審神者
今どうなってんの?

810人目の審神者
通報したらダメってなに?

811人目の審神者
(思ったんだけどこのスレ安価とかないよな)

812人目の審神者
(キリ番もな)

813人目の審神者
(これが流行の最先端ってやつだよ)

814 山姥切
詳しいことは話せない
端末の電源が落ちそうだ
報告は後で出来るようならする

815人目の審神者
え、待って

816人目の審神者
まんば!?

817人目の審神者
まんばちゃーん!?

818人目の審神者
これマジでいなくなった?

819人目の審神者
なんで?

820人目の審神者
待って

>>電源が落ちそうだ

電源落ちるってなに?本丸ならそんなことないよね?

821人目の審神者


822人目の審神者


823人目の審神者


824人目の審神者


825人目の審神者


826人目の審神者
まままんばちゃーん!?

827人目の審神者
24!誰か24!

828人目の審神者
まて!まんばの許可ないだろ!

829人目の審神者
何かあるだろこれ!

830人目の審神者
それでもまんばにだって考えがあるんだろ!

831人目の審神者
マジどうしたらいいんだ

832人目の審神者
俺たちがどうしたらいいってききたいわ

833人目の審神者
まんば…

834人目の審神者
まんばちゃあああああああん!




「……ば…」
 そっと耳を傾ける。雀よりも小さな声は、欹てても拾えないくらいか弱かった。
 喘鳴の合間から懸命に紡ぐ声は聞き取り難くてならなかった。
「……ば…」
 幾度も幾度も、命の滴とともにこぼされていくようだった。
 それが自身を呼んでいるのだと悟ったとき、目の前が真っ赤に染まった。
 あんたは……!
 山姥切の腕を掻いていたのではない。まったく力の入らない手で触れようと――掴もうとしていたのだ。
 こんなときまで、あんたは。そうやって俺を頼るんだ。腸の中でぐつぐつと煮え滾るそれを飲み込んでいると、主の頬に血が滴った。唇を噛み切っていたようだ。
 はじめからそうだった。
 差し出された手は、温かかった。初めて感じる人の温もりに浸っていると、柔らかく笑った。その顔があんまりにも好きだったから。この仮初の命を賭けてでも守ろうと思った。よろしく、とちょっとだけ不安も混じった言葉も好きになったけど、笑った顔の方がずっと好きだった。
 自分達と距離を置いていることに気付き、羨望の目を向けられているとわかってからもずっと。心は変わらなかった。
 変わったものもあったかもしれない。
 守ろうと、そう思う心は強くなった。その目は決して嫌なものではなかったから。なんてきれいな羨望を向けるのだろうと思ってしまった。
 いつか。この戦いが終わり、還ったあと。自分達の手でなくともいい。誰か、いつか。その羨望の正体を与えてくれたらいい。欲しいものから距離を置いて、なんにも欲しいものなんてありませんよ、なんて顔をしてきれいに笑うから。それなら、欲しいものを与えられて、嬉しくて笑ってほしい。
 いつか。そう、いつか。たったそれだけでよかった。
 腕の中から温度が徐々に抜けて行ってしまうようだった。いつかと夢見たものが永劫来なくなってしまうのではないかと恐ろしかった。
 待ってくれ。まだ行かせないでくれ。きっとこれからこの人はたくさん笑うのだ。最初に見たきれいな顔じゃない。まだ知らない、惚れてしまうくらいに大好きな笑顔を見せてくれるはずなのだ。だから、まだ。まだだ。行かせないでくれ。
 全身の力を余すところなく使って、腕の中の主を抱き締めた。漏れ出る吐息は微々たるものだった。
「……ば…」
 ああ嫌だ。まるで最期みたいに。置いて行かれた方の気持ちなんて分からないだろう。寂しいなんてものじゃない。辛くて、苦しくて、痛くて、まるで全身隈なく殴られ蹴られの暴力の限りを尽くされるようなんだ。嫌だ。まだそんな思い味わいたくない。
 何も聞きたくない。
 目も開けられないじゃないか。触れることすら出来ないくせに。無駄な力を使うからだ。
 もういい。もう何もしなくていい。ただ生きていてくれればそれだけでいい。
 たったそれだけでよかった。そのはずなのに、生きていることすらも願わなくてはならないことが恨めしい。
 誰か返してくれ。主の、温度を。
     
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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