「マス……?」
ター。続けようとして、攫われる。
しぃっ、とデミ・サーヴァントが可愛らしく制した。
「なんだってんだ?」
デミ・サーヴァントは、マスターの部屋を覗いている。中へ入ればいいのに。
思って、後ろから顔を覗かせる。
「……」
なるほど。
きちんと整頓された部屋。テーブルだけに飽き足らず、チェアーやソファ、ベッドサイドなどいたるところに可愛らしいラッピングの贈り物が我が物顔で占めていた。
部屋の主は、ベッドの上で夢の中。
「ダ・ヴィンチちゃんがお呼びだったんだが……」
こりゃ後でもう一回呼びに来るか。
デミ・サーヴァントがにっこりと笑った。
だが、席を外すこともできなくて飽きもせず寝顔を眺めていた。
むにゃむにゃと緩んだ頬と、食べかけのお菓子の山。手には食べている途中だったのだろうチョコレート。
聖なる日だとはしゃぎ過ぎたかもしれない。嬉しさを隠そうとしたが、口角は緩んだままだった。
return