11
「エクラ。さっき黒崎さんに何渡してたの」
「ゴム」
「は?」



『俺たちはルフレのことことが大好きなんです。なので、姉を泣かしたらぶっ殺しますから』
『おう』



唇が離れた。
息も絶え絶えになりながら、黒崎蘭丸を見詰める。
真摯な双眸がじっと見下ろしていた。
視界に入る天井がやけにリアルにさせている。朧になる脳も働く。
黒崎蘭丸の指が、セーラー服のスカーフに伸びた。徐に解かれる。留め具も外し、鎖骨が露わになった。上から順番に外されていく。
ルフレは、自分の手を必死に抑えていた。
やめて、と止めてしまいそうだった。恥ずかしくて燃えそうで。
好きな人に、服の中を見られるなんて。
変に思われたらどうしよう。幻滅されたら?「ルフレ」
黒崎蘭丸の手が、ルフレのものに重ねられた。
いつのまにか、手が震えていたことに気付く。
彼は何も言わない。ただ指を絡めて、ルフレにキスを落としただけだった。
暫くそうしていると、震えが治る。
「ラン、ちゃ・・・」
落ち着いた頃合いを見計らって、黒崎蘭丸は制服の下に触れた。
ブラジャーの下に隠された膨らみ。十代のそこは、柔らかくまだ未発達だった。
触れると、弾力はないがしっとりしている。撫で慈しむように触れた。
愛撫をされているようで、ルフレは視線を逸らす。
未だ繋がれた手から、羞恥心も全て伝わってしまいそうだ。
「ルフレ」
「な、・・・に?」
手の動きに耐えながら、ルフレは視線を向けた。真剣な目とかち合う。
その口から放たれる言葉が、ルフレを魂消させるとは夢にも思わなかった。
「本当は、ずっと前からお前のことが好きだった」
間が、空く。
ルフレは固まった。
今、なんと?
「・・・・・・・・・・・・・・へっ?」
反応が遅れた。
そんなはずはない。父似のルフレを前から好き?
嘘だ。好きになってもらえないから、ルフレはお嬢様学校に通うまでに至ったのだ。脈ありだったらこんなことしていない。
父や母を悲しませるような真似はしなかった。
黒崎蘭丸は、ルフレの気など知らずニッと笑う。
「お前が成長するのが嬉しかったよ。子供に手を出すわけにはいかなかったからな。成長する内に、女になっていくお前に喜んでた」
背中を悪寒が走る。
「十六にもなってないけど、高校生ならまだいいだろう」
黒崎蘭丸は、ルフレのスカートをめくった。淡いピンク色のパンティーが晒される。ブラジャーと同じ色で、清楚な感じのものだ。
陰部は濡れていた。期待でパンティーを染める。
早く。
急かすように、割れ目が疼いた。じっと視姦される。視線で嬲られているようだ。
ルフレは、黒崎蘭丸の動向を息を飲んで見守っていた。今から何をされるのか、分かっているのに分からなくて震えが走る。
一瞥し、視線が合うと口角を上げる。
そして、未だ尚愛液を漏らす場所に顔を埋めた。
「・・・っ」
声も出ない。
怖い。
けれど、止められなかった。
まるでそれが分かっているように、黒崎蘭丸は舌を使った。ちろちろと遠慮がちに、わざとらしく。
口で愛するまでにそう時間はかからなかった。舌と唇、唾液まで使って舐めしゃぶる。パンティーの染みが最早愛液か唾液か境目が分からない。
段々、身体が火照ってきた。切ないような、締め付けられるような感じ。
ルフレは、自身を抱いた。
腰が揺れる。下肢からの熱を逃そうとするのに、黒崎蘭丸に押さえつけられ、しかもより熱くなる。
「う、ぅっ・・・んっ」
唇をキツく結ぶ。無意識に声を漏らすまいとしていた。
黒崎蘭丸は目敏く気付き、ルフレの唇を撫ぜた。
そろりと這う指は心地よかった。
力が弱まった隙を見て、中へ侵入する。
噛めないのをいいことに、突っ込んだまま下肢を舐めた。
「ふぁっ、あ、らんちゃ・・・」
はふはふと息をする。
べろんと舐めてみたり、しゃぶってみたり。時にはイタズラに噛んでみたり。はたまた埋めてみたりと、愛した。
再び目が合い、唇を合わせた時にはパンティーが脱がされていた。
黒崎蘭丸は、ポケットからローションとゴムを出した。二階に上がる途中にエクラに釘と一緒に貰ったものである。
ローションを手に馴染ませる。肌の温度くらいになったら、黒崎蘭丸を欲してやまない蕾に指を挿入する。
一本は容易く入った。
「ん、う・・・」
だが、まだ抵抗感がある。
奥へ奥へと進み、滑りを帯びる。すぐに二本目も挿入し、奥へと埋めた。
「ん、・・・う、あ」
ルフレは、必死に息を紡いでいた。
「は・・・は・・・ァ」
荒い息の中にも甘やかさを感じ、ふっと心が弾む。
二本で奥を探る。きゅうきゅうと締め付けてきて、行かないでと啼いているようだ。
大分馴染んできたところで、三本目を挿入する。
先程より締め付けは強まり、なかなか奥へは進まない。
「あっあ・・・あっ、う、うあ・・・」
嬌声と言うよりは呻きだ。苦しげに耐えている。
「ルフレ」
「・・・な、に・・・っ」
「やめねぇぞ」
「え・・・?」
ルフレは、黒崎蘭丸を見遣る。
どこか冷静な感じの目が、じっとルフレを見詰めていた。
ぞくり。
まただ。胸がざわめく。
「痛くても苦しくてもやめねぇ。だから、素直に声出してろ」
「ら、・・・ちゃ・・・」
ルフレの心情を察したように、何があってもやめないから大丈夫だとでも言うような声。
知らず入っていた力が抜けた。
「うん」
ルフレは、無理矢理に笑った。
黒崎蘭丸も笑った。その目に暴れ出しそうな衝動を露わにして。

     
return
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -