それでも、愛を持たずにはいられない
「なが、い……っ。ながい!」
「どうした? もう力尽きたか? だが、まだまだだぞ?」
「アッ、あ……っ」
 手足の自由はない。後ろ手に縛られ、足も自由がままならぬよう縛られている。
「んぁっ、……う、ふ……」
 後ろからガツガツと挿入をする男に、もうかれこれ何日犯され続けただろう。少なくとも、意識が覚醒してからは一度も気を失えずにいる。
 男の名前は、長という。長い短いの「ながい」。
 まず初めに長と呼ぶように教えられ、それからずっと犯された。
「ん、ぁ……」
 あの子にすらこんなことをしたことはないのに。
 と、ぼやけた頭の中で考えた。その時
「ながい!」
「何を考えた? 俺のことだけ考えていろ」
「ごめっ」
 長の手が、張り詰めたそれに伸び、もう少しで達せそうだったところをせき止められた。
 イけない。となると、よりイきたくなるのが本能というもので。
 ますます快感を拾うようになってしまった身体に苦しめられた。
「ああっ、いや! いやだ! っねが、も、も……」
「許さん」
「なが、ぃいっ」
「この身体に、俺が充満して、はち切れて、もう一回死ぬことでもない限り」
 それは、どんなものなのだろう。
 あの幼子を閉じ込めた時以上? それとも、そんなもの比べ物にならないくらい?
 ぞくり。と、想像して震えた。それが、期待によるものだとは知っていた。
「どうした? 嫌か? だが、やめてはやらんぞ。俺は、お前を愛しているからな。お前を愛したい」
 違う。とは、言わなかった。
 愛している。それが、心地よくて。
 挿入の勢いが強まる。身を捩り、切なさに身を震わせた。
「あっ、あっ、んンァアッ」
「愛いぞ」
「あぁんんっ」
 長の愛は、自分の愛とまるで違った。
 それなのに、心はこんなにも喜びに満ち、不安すらない。身体だけ、なんてことも考えなかった。
 次第に長に染められていく自身を感じながら、達した。
 余韻などなく、長が達しても尚続く快感に嬌声が漏れた。
     
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