「最近、奥様は嬉しそうですね」「ああ。そうだな」「?理由をご存知で」「ふふ」窓際で柔らかく微笑む最愛の子。陽の光の中で慈しみ、腹を撫でる様は宛ら聖母。出会いとは百八十度違う表情。「私のおかげだよ」「……なるほど」一度目は、そばにいられなかった。そして、二度目。ずっとそばにいた。

苦しい時も、歌い出したくなるくらい嬉しい時も。ずっと。それが、あの子にとってどれほど安らげることか。不安定で今にも壊れそうだった子が、人を愛することに喜びを覚えた。「聖」一人の母親が、振り返り、笑う。「なに、梓」私の名を呼んで、待っている。それは、二度目の昼下がりのこと。

Dearestより。結(息子の方)の時は書けたけど、そういえば数馬は書いてなかったなと思って。
     
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