「リーヤ、はい!」
「おう、サンキュー。毎年悪りぃな」
「いいわよ、このくらい!」
可愛くラッピングしたチョコレイト。片手で受け取って、ぽいっとバッグへ。きっといつかは食べてくれる。
「まあまあ、いつもありがとうねぇ」
「はい、おばさんにも!」
「ありがとう」
にっこり笑って受け取ってくれる。同じくらい可愛くラッピングしたチョコレイト。
「まったくもうこの子ったら男の子なのに女の子のマネばっかりして!」
「あらぁ、いいじゃない可愛くて」
ママの文句にも、おばさんは笑ってくれる。
「いってきまーす」
「いってきまーす!」
リーヤの後を追って、家を出た。
「ほんとう。かなちゃんが女の子だったらうちの子のお嫁さんに欲しいくらいだわ」
「そうねぇ。そしたら私も安心だわ」
「わたし、毎日かなちゃんとお菓子作っちゃうかも」
「女の子になったらうるさいんじゃないかしら?」
「そこがいいのよぉ」
ママ。おばさん。やめて。そんな話しないで。
リーヤが大好きよ。わたし、とっても大好き。女の子だったらアプローチして困らせてたわ、きっと。
女の子みたいになったら、リーヤもわたしを好きになってくれるかもって思ってがんばって可愛くしたわ。今では可愛いことが大好きよ。
でもね。ママ。おばさん。
女の子になったからって、リーヤの一番になれるなんてそんな甘くないわ。想像しただけでも苦しい。
男の子なのに好きになって、女の子になっても好きになって。
男の子だから気持ち悪がられるわ。
でも、女の子なら?きっと気まずくなっちゃうわ。そんなの怖いわ。嫌よ。
だから、ねぇ。ママ。おばさん。
わたしは、女の子にぜったいになれないの。なりたくないの。


黒百合さんより、「幼馴染」

     
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