3
黒豹
特別クリスマス番外編

〜白の恐怖〜


雪が降るクリスマス。

人はそれをホワイトクリスマスと呼び、珍しいと喜び手を叩く。

恋人達は外に出て、その珍しい光景を二人で拝もうと思い出作りに勤しむ。

そんな中、彼女はベッドの中で未だ丸まっていた。

それにあわせて隣で眠っていた彼も丸くなる。

しかし次の瞬間には、彼女の体にかかっていた布団を剥いだ。

「ん、う…」

「おはよう」

「何…」

「寒い」

「だから?」

「もうちょっとこっち来い」

「ん、」

丸まりながらも彼女は彼に近付く。

近付いた彼女の体に四肢を絡めた。

重さに顔を顰めるも、温かみに口端を緩める。

「今日はずっとこうしていよう」

「ん、でも…」

「いいから」

少女だった体は幼さが残るものの女性のものだ。

「でも、」

「大丈夫。誰かが来るだろ。彼奴らに頼んだから」

「…バカ野郎」

余計な心配だとでも言うように、彼は彼女の体を強く抱き締めた。

その体は、恐怖で震えていたがもうじきおさまるだろう。

彼女は雪が怖いが、自分が恐怖をなくしてやるのだと。

彼はそっと心に誓った。


     
return
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -