天
忘れたいと願ったことも
絶ちたいと願ったことも
涙が出ないことが悲しくなったこともあった
だけど
そんなことも
寝てしまったり
時が経ってしまったりすれば
あっさりと
鉛筆を失くしたりするのと同じ位
あっさりと
忘れ消えて行ってしまう
生涯の想い人と交わした約束も
向けた憎しみの矛先も
何時かそんな風に容易く忘れられるのだろうか
人は忘れてもいい存在でしかなく
人は忘れることが出来る存在で
なんて愚かな存在だろうか
まるで大切に囲われている
あの柵の中の大樹のようではないか
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