最近、嫁がいっしょに寝てくれません。
最近、嫁がいっしょに寝てくれません。
私の嫁は、ウコッケイです。褐色の肌はウコッケイ独特のもので、髪色は白、とまるで外つ国の人です。
私は、シロウサギです。両親はシロウサギとクロウサギのオスでしたが、アルファとオメガという種類に生まれ、私がこの世に生まれました。
嫁もオスのオメガです。私たちの場合、ウサギとトリという種族をぶっとんで夫婦になりました。
私が生まれた瞬間から、私たちは生涯の恋人となることが運命づけられていました。私はもちろんその運命に逆らおうと思ったことはありませんし、思っても逆らえるものではないでしょう。アルファとオメガは運命の相手を探し求めているのです。出会った瞬間からその運命は恋となるのですから、逆らえようはずもありません。
しかし、嫁はどうやら抗うつもりだったらしく、私が寝ている隙を突くまで知らんぷりをしてくれました。私はといえば、嫁が無意識にふりまくフェロモンに困らされていたものです。嫁は私と出会う前からフェロモンをまき散らしていたようですから、温厚なウコッケイに生まれてくれて安心です。もしも獰猛な肉食獣の間に生まれていたらと思うと恐ろしくてなりません。私はフェンス越しに悔し涙を飲むしかなかったでしょう。
そんなこんなで、私たちが結ばれてかれこれ一年が経とうとしています。嫁はたくさんの子どもたちの顔を私に見せてくれました。身籠っている間も嫁を愛することをやめないからか、次々と子どもたちが生まれてきて、私たちは顔を覚えるのも大変です。私似のウサギたちはどうやら一羽ずつ生まれてくるらしいのでなんとかなっているのですが、嫁に似たウコッケイの雛たちはピヨピヨ次から次へと生まれるので最早見分けがつきません。そろそろ名前のネタもつきてきました。
けれど、嫁にはこれからもドンドコ生んでもらう予定です。
何故なら―――
「ぅ……う、ん……」
おっと。嫁が目を覚ましたようです。
嫁は生まれたばかりのクロウサギを抱いて、背中に雛たち、その横には仔シロウサギ、そして私を遠いところで寝ています。ウコッケイは藁の上で、私たちウサギは土の上で寝るのでそれもあるかもしれませんが、ここのところ毎日離れて眠っています。流石に私も限界です。たまには抱き合って寝たいものです。
むくりと起き上った嫁は、寝たふりを続ける私と子どもたちを眺めています。
腕の中のクロウサギはすぴょすぴょぷーぷー寝ています。まったくこっちの気など知らずいい気なものです。今現在夫婦離婚の危機だというのに。
嫁は、やがてそっけなくまた背中を向けて眠ってしまいます。
背中を向けられるというのは嫌なものです。せめてこちらを向いて寝てほしいのです。愛し合った後も背中しか見れないので、最近私はフラストレーションとやらが溜まりつつあります。
そして、今のでぷっつんきました。
子どもたちが起きてしまうかもしれない、というのも構わず勢いよく起き上ります。
嫁は私が起きたことにすぐに気付き、見下ろす私の目を訝しげに見上げます。その目に、少し淀んだものが混じっているのは気のせいではないでしょう。
「オシオキ」
「は?」
何言ってるのかわからない、なんて顔をしても手遅れです。





どこから出したのとかはもうファンタジーの暗黙の了解としか言いようがありませんが、藁で編んだ縄できっちりとお嫁様を拘束させていただきます。ほら暴れられると面倒でしょう。手足を拘束しても尚暴れるのでちょうどいいくらいです。
「ちょ、なにするんだ!」
「どうどう。落ち着いて」「これが落ち着いていられるかー!」
「子供たちが起きてしまいますよ」
「ぐ……っ、ぬぅ……」
心底恨めしいような目で見ても知りません。まあ、子供たちは起きないでしょうが。このくらいで起きるような繊細な子供はいないはずです。私と嫁の子供なら尚更。
一瞥すれば、予想通り図太くすぴょすぴょ寝ています。まったく将来は大物になりますねこりゃ。
「こ、この前産んだばっかだろ!」
「はい。なので、早速次を仕込もうかと」
「一体どれだけ産ませる気だ!」
「死ぬまで」
お嫁様が絵に描いたようにピシャリと固まってしまいました。なんということでしょう。手をひらひらさせても反応がありません。バカにしても。
魂がすっぽ抜けたように、意識が飛んでいます。そこまで驚くことでしょうか。
「……っざけるな!恐怖で凍りついたわ!」
「おや。でも復活されたなら大丈夫ですね」
「全然大丈夫じゃないわ!」
「はいはい」
尚も抗おうとするお嫁様の元気な息子様を口に含む。すると、歯を食いしばってしまわれた。勿体無い。声を出せばいいのに。
お嫁様の息子様はまだまだ現役で、すぐにぴょこっと元気になりました。いい傾向です。先端を舌でぐりぐりこねくり回すと、腰までぴょこぴょこ動き回るので大層可愛らしいです。袋のところは手で揉んであげます。
「う、……ぁ、は……」
なんだかんだ言って、すぐに先走りをだらだら零すところは可愛いです。でも、今はお仕置きです。
これまたご丁寧にどこかから持ってきた藁製の細長い紐を取り出します。そして、これを尿道に通せば完成です。
「ぁ、あァギィいいいいいいッ!」
尿道を通る細いものに、お嫁様はのたうちまわりました。痛そうですね、私ならごめんです。声も出なくなるほどに呻き、快感もなく、痛みが貫く感覚。想像しただけでも痛いです。
お嫁様の尿道にずぶずぶ押し込め終える頃には、お嫁様はボロボロ泣いて体を丸めていました。それでは愛らしい身体が見えないので、くるりとひっくり返すと、それはそれは恐ろしい形相でお嫁様が私を睨みます。般若もビックリです。
ですが、手足は拘束してますし、恐怖もヘッタクレもございません。気にすることなく、肉襞を愛でることにします。
ついこの間ここを通ったクロウサギはすやすや夢の中。お陰であまりキツくないのでいいですが、実はここを子供たちが通るたびに嫉妬に焼け焦がれそうになるのは秘密です。一生お嫁様にも教える気はありません。
肉襞に指を埋め込むと、驚くくらいすんなり入りました。異物感もないようなので一気に三本に増やします。少し感じるのか、苦しげな表情になりますが、尿道に入れてからなのであまり気にしません。
にゅぶ、にゅぶ、と意味もなく出し入れしました。少し苦しげなだけです。中もすぐに慣れて、肉がきゅうきゅう絡みつくことはありません。すっかりガバマンになってしまったようで気分は萎え萎えです。だから、子供がここを通るのは嫌なのです。私だけのものなのに。私の形だけ覚えておけばいいのに。
イイトコロは突きません。久々ですし、最初に感じるのは私のものでなければ嫌です。
肉棒を取り出すと、お嫁様の視線が釘付けになりました。本当、なんだかんだ言いながらあなたこれ好きですよね。ビクビクと脈打つ、筋の立ったそれは、早くお嫁様の中に入れろと今にも暴れだしそうです。私の中にある狂おしい思いがまるで乗り移ったかのようです。
先端だけ挿入しました。みしみし、と肉を掻き分けます。ですが、それ以上の挿入はしません。久々の私の形を思い出して欲しいし、今度は忘れないで欲しい。
「あ、ぁあああ……」
先端だけだというのに、お嫁様はひくひくとはしたないことこの上ない。
お仕置きの意味も兼ねて、ぷるんと元気な息子様を叩く。
「あ、ああああ!」
悲鳴をあげて、震えます。
ぐりんぐりん浅いところを掻き回し、ぬっぷぬっぷ、と出し入れすると褐色の肌が喘鳴を漏らします。上下に激しく揺れて、何故か艶ぽい感じです。
「いっ、あ、あ、あ……」
「私の形なんて忘れてしまったでしょう?また一から覚え直しです。まったくいつになったらちゃんと覚えるのやら……」
「う、あ、あ、ああ……」
「聞いているのですか」
「いぎぃいいいっ」
息子様を強めに叩くと、大きく仰け反り、目を白黒させました。やはり、ここを叩くと反応がいいです。
しかし、やはりガバガバです。すぐにきゅうきゅうと締め付けてきた感じはなくなりました。むっとします。子供が生まれるたびに、お嫁様の肉襞はユルユルになって、一体誰のものだと心得ているのか。
しかし、私の中に産ませない選択肢はありません。これからも暇さえあれば生み続けてもらいます。
最奥のイイトコロをずらして、全て埋め込みます。苦しそうにしていたお嫁様も、ハァハァ言いながらきゅうきゅう締め付けてくるので可愛らしい。
その期待に応えましょう。
「あァあああアッ!」
最初から激しく突けば、お嫁様はイイ声を聞かせてくれます。休む間も無く、叩きつければ、ぷるんぷるんとした可愛らしいものもドクドクと筋を立たせて赤黒く変色していきます。
「いぃいいいいい、ぁ、……や、だぁああああァ」
尿道はしっかり紐で遮っているので、達することは出来ません。私は腰を休めず、お嫁様は過ぎた快感に腰を振りながら拒否を示しました。ですが、これはおしおきです。甘やかしてはいけません。
「まったくとんだスキモノですね。塞いでるのに感じるなんて。私ならごめんです」
「や、……や、や……」
最早ドライイっています。許可は出していないのにイケナイ人。イくのも辛そうです。
その泣き顔を免じて、許してあげましょう。
「さ、イってください」
「い、ぁああああああアッ!」
ずろろ、と抜いた肉棒で、一気にイイトコロを叩き打つ。お嫁様は快感にのたうち、出したいものも出すことが出来ずに気を失ってしまいました。
私は中に出したいものを出します。奥の奥、子宮をノックすると、応えるようにきゅんきゅんと返してくるのが好きです。
「また、産まないと……」
ウサギの寿命は短い。
きっと、私があなたよりも先に世を去ることになるでしょう。
だから、それまでに子供が沢山いればあなたは寂しがることもなく、賑やかに過ごせると思うのです。私のことなんてあっという間に忘れて、慌ただしくて考える暇もない日々。
「寂しいですけれど」
それでも、私はあなたの泣き顔は見たくないのです。仮令、あなたが私を忘れてしまっても。
「でも、今はお仕置きですね。イっていいと言った覚えはありませんよ」
お嫁様の足を担ぎ、抜いたばかりの肉棒をゆっくり押し込めた。




だからと言って、あなたに先立たれることに、私はきっとたえられないだろう。
     
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