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元旦一日限定特別番外編

〜君の傍で〜







「キョホホホホホホホホ。

餅頂きいぃっ」

「あ、ちょっと…っ。

折角楽しみに取って置いたのに…」

「ホホホ。

獲物を何時までも残すなんてバカね」

最後の楽しみを取った君は楽しそうに笑う。

でも不思議と嫌な気はしない。

彼女が嬉しそうに頬を綻ばしてるからだろう。

「餅っていいわよね」

「そんなこと言って、毎年家に来るよね」

「いいじゃない。

私が食ってあげてんのよ」

「もう…っ」

でも本当は知っているんだ。

「美味しい?」

「ん?おひふいふぁふぉー」

『ん?美味しいわよ』

「お餅そんなに好きなの?」

「ふぁっふぁりふぁふぇふぁはひ」

『当ったり前じゃない』

ホント、可愛い。

餅を口に含みながら上手く喋れてないんだなんて。

「…ね、有難う」

「ふ?」

「来てくれて、有難う」

「…(飲み込む)。

何、言ってんのよ…餅を食われて頭がおかしくなった?」

「ふふ…そうかもね」

本当は知ってるんだ。

一人暮らしの僕のために、何時も来てくれること。

君はまだ高校生だから。

泊まることはあまり出来ないけれど。

寂しさを紛らわせるように、わざとそうやって明るくしてくれることも。

そんな所も。

「大好きだよ」

「ハアッ!?」

来年もまた、君と過ごせますように。


     
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