04/01〜
 ワクワク。と、そわそわしているから、何となく想像がついてしまって。
 だから、出来心でつい悪戯をしてしまったんだ。悪いのは可愛いからだと言い訳をして。
「辛島。俺……」
「笠間」
「ん?」
「エイプリルフールって、実は午後しか嘘つけないって知ってた?」
「へ!?」
 食いついている。しめしめ、と、内心腹を抱えて笑う。こんなところが馬鹿と言われる所以だと、いい加減気付けばいいのに。
「笠間、今、嘘つこうとしただろ?」
「え!?」
「だから、お仕置きね」
 騙される方が悪いとよく言うが、可愛いものには旅をさせろって言うし。可愛いものって、それだけで罪なんだなと思う。
 騙された可哀想な男を残さず完食したのは、すぐ。



 後日。
「辛島!エイプリルフールって午前中って、本当!?」
「ああ、そうだ」
「何で!?午後って……」
「だから、午前中に嘘ついただろ?」
「ハッ。き、きったねー……」
 汚くてもなんでも、お仕置きには突っ込まないのか。追求の手を未だやめない上手く丸め込みながら、辛島は思った。
     
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