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大晦日一日限定番外編

初日の出が昇るその前に





僕が彼女を好きになったのも、

そして彼女が僕を好きになったのも、

今思えば僕の一歩だったのかもしれない。

「ちょっと、アンタちゃんと見てんの。

 見逃しちゃったら、どうしてくれんのよ」

「見てるよ。

 君こそ寝ちゃったりしないでね」

「ホホホホホ。

 私の辞書に負の文字はないわ。

 この天才に何言っちゃってくれんのかしら?」

「ふふ、そうだね」

傲慢でプライドが高くて、

それでいて何にでも一番にならないと気が済まない。

最悪な性格な君。

初めて会った時には、

まさか一緒に初日の出を待ち侘びるような仲になるとは、

露程にも思わなかった。

そう言ったら、

「ふふん。

 どう、嬉しいでしょ?」

と自慢的。

思わず笑ってしまったらすぐに機嫌が悪化。

「何よ」

「だって、君の性格って一向に変わらないから」

「無駄よ。

 変えようと思っていないんだから。

 それとも何?

 変えてほしいの?」

「うん」

途端に落ち込んだ顔。

本当はこれが見たいんだ。

絶対に教えてあげないけど。

だってそしたら、そんな顔にならないようにするんだ。

でもその顔も見てみたい。

「ほら、見えてきたよ」

「…」

またダンマリ。

もういいかな?

「ねえ、一個だけ教えてあげる」

「…」

「僕を何時でも好きって言って」

「〜〜〜〜ッ、」

その時赤かったのは、初日の出のせいか。

それとも…

     
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