short stories2 | ナノ

「あ、あの…。高杉先生っ!」
「あぁ?」
「えっと、その…」
「おめぇ、たしか辰馬ンとこの…。なまえっつったか?」
「えっ?あ、はい!よく知ってますね…」
「病院内の女の名前と顔は、な」
「あ、そうですか…」
「で?何しにきた?」
「お薬を調合してほしいんです!」
「薬…?誰の?」
「坂田先生…、内科の坂田先生です。どうやら風邪をひいてしまったみたいで…」
「へぇ…。そうだな…。調合してやらなくもない」
「本当ですかっ?!」
「た だ し」
「え…?」
「なまえのこと…、もっと俺に教えてくれたら、な?」
「えっ…ちょっ……!!手を離して下さいッ…!」
「イイ顔してらァ…」
「た、高杉せんせ…い…?」
「女もズボンの白衣になっちまったのは頗る惜しいが…。脱がせる楽しみができたと思えば…」
「高杉先生っ!!何を言ってるんですかぁ…っ!それに、腰に手を回さないで下さいっ!」
「なんの代償も無しに俺に薬を出させるたァ…、いくらなんでも勝手すぎやしねーか?」
「で、でもっ…、きゃぁっ…!」
「どうだ?決心はついたか…?」
「うぅ……」
「高杉、そこで何をしているのだ?」
「チッ…」
「桂先生っ!!」
「も、もしや俺は、アブナイの恋の最も燃える部分を邪魔してしまったのか…?!」
「ふざけないでください。でも…、助かりました」
「ヅラァ…。てめぇ、一体何しにきた?馬鹿につける薬はねェって何度も言ってんじゃねーか」
「いーや。お前ならできる」
「ったく…。いっそ自分で自分の脳みそ手術したらどうだ?天才脳外科医さんよォ…」
「なるほど!その手があったか!いや、まてよ…。ということは新しい麻酔を開発しなければ…」
「あ、あの…桂先生っ…?…行っちゃった……」
「チッ…、興が冷めた」
「は…?」
「残念だろうが…、続きはまた今度だ」
「いや、結構です」
「……」
「それより薬を…」
「銀時に薬は必要ねーさ」
「え…?」
「アイツの病名は仮病だ」
「まさかそんなはず…」
「まずは、アイツの熱をしっかりと計ってみるんだな。本当に熱があったんなら、なまえの身体と引き換えに薬を作ってやるって銀時に伝えろ」
「は、はい…。え?私の身体?!」
「近々飲みにでも行こうや、なまえちゃんよォ」



脳外科医桂小太郎が何をしたいのか知る人はいません

終わり!

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