銀時から好きだと伝えられたあの日から3日が経った。
 私は桂さんの提案どおり銀時達と共に戦場にほど近い野営地に身を置いていた。ここは戦場そのものではないけれど、負傷した方の血の匂いや痛みに耐える呻き声がまだ見ぬ戦場の恐ろしさを私に伝えていた。

「包帯の巻き加減はこのくらいで大丈夫ですか?」

 間接的とはいえ戦争に関わってしまったのだから、安全な場所で何もしないなんて嫌だった。そこで、私は負傷者の介抱の手伝いをさせてもらうことにした。
 医療についてなんの知識もない私にだって、この場所の衛生環境の悪さや医療物資の不足がはっきりとわかる。銀時達は私に笑顔を見せてくれる裏でこんな世界に身を置いていたのだと考えると、無理をして笑顔を作っていてくれたのだろうかと無性に泣きたくなった。

「名前」

 瞳にうっすらと涙を浮かべていると、背後から私を呼ぶ声がした。

「高杉さん……!」

 振り向いた先の高杉さんの頬には一筋の刀傷ができていて、真っ赤な血が涙のように滴っている。早く手当てをしなければと駆け寄って頬に手を伸ばそうとすると、「これくらい大丈夫だ」と制されてしまった。

「で、でも……ちゃんと手当てしないと……」
「んなことより、銀時はここへ戻ってきてねェのか?」
「銀時ですか? 私が知る限りは戻ってきていないと思います……」

 銀時がどうかしたのかな?
 銀時が戻ってきていないと知った高杉さんの表情はどことなく険しくて、何か悪いことがあったのかもしれないと、背中がゾクリと粟立った。
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