「うぅ…寒っ…」

どんよりとした雲に覆われてしまった12月の空。カイロを両手に挟みながら震えていると、私のその姿を見ていたらしいお妙ちゃんが、クスリと笑って「若い子がそんなんじゃダメよ。もっと気合いをいれなさい」と言った。

「だって、寒いのはどうにもならないんだもん。こんな寒いのに、校庭でドッジボール大会だなんて、ふざけてるとしか思えない…。それにしても、お妙ちゃんがこんなにノリノリなんて、かなり意外かも…」
「あら?私は学校行事にはいつも全力投球よ?」
「私がいればZ組の優勝は間違いないネ!アネゴの好きな破亜限堕津は手に入ったも同然ヨ!」
「うわっ…!破亜限堕津って…?」

私に背後からガバッと抱き着いて会話に入ってきた神楽ちゃんは、勝ち誇ったようにブイサインを空に掲げた。
破亜限堕津とは一体何のことだろうか。お妙ちゃんに視線で質問を投げかけたところ、彼女曰く、Z組が優勝したら、銀八先生がクラス全員にアイスをおごってくれるらしい。それならば、お妙ちゃんが異様に張り切っていることに納得がいく。

「確かに、神楽ちゃんが居ればウチのクラスは無敵かも…。むしろ、相手のクラスが可哀相だったり…」
「でしょ?さ、神楽ちゃん。私と名前ちゃんを守りつつ、相手をボコボコにしちゃいなさい」
「任せるヨロシ!」

神楽ちゃんの元気な返事が校庭に響いた時、ちょうどZ組の出番がやってきたようで、やる気満々の神楽ちゃんに手を引かれながら、私達はドッジボールのコートへと向かった。
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