イナズマジャパンの今日もハードな練習が終わった。選手達は各自疲れた身体を休めようと宿舎の中へと入っていく。

そんな中、俺も疲れた身体を癒やしてもらおうと愛しい愛しい恋人の元へと駆け寄った。

「円堂くーん!!」
「わあっ!!」

ドンッと勢い良く円堂くんに飛び付く。
何この抱き心地!柔らかくって最高!

「ヒっヒロト…ビックリするじゃんか、」
「うふふっ、ごめんごめん」

ああもう可愛いなぁ円堂くんってば!顔真っ赤にしちゃって……!

「練習お疲れ様」
「ああ!ヒロトもな!お疲れ様!」
「今日も円堂くんGKの練習頑張ってたね」
「おうっ!どんなシュートも止めてみせるさ!」
「あはは、頼もしいよ」
「ヒロトは今日もすげーシュートだった!」
「何本か円堂くんに止められちゃったけどね」
「いや!あのビリビリした感覚!今も覚えてる!本当にすげーシュートだよヒロト!」
「ふふっありがとう」

俺の腕の中で、まん丸な瞳をキラキラ輝かせながら熱くなる円堂くんは本当に可愛い。

そんな彼の肩に顔を埋めみると、くすぐったいのか微かに身じろぎをする円堂くん。ふと耳を見てみると真っ赤にしちゃってて本当に可愛い。

「円堂くん耳真っ赤だよ?」
「〜っ!だってヒロトが!」
「俺が?何かしたかな?」
「そこでっ喋んなっ!く、くすぐったい!」
「くすぐったいの?これが?」
「うひゃあっ!」
「あはは、」

可愛いなぁ円堂くん!と言えば「ヒロトのバカ!」と返ってきた。
うん、確かに俺は円堂くんバカかもしれないけどね!

諦めたらしい円堂くんの肩にしばらく顔を埋めていると円堂くんがあっ、と声をあげたのでどうしたの?と尋ねると、

「ヒロトっ、俺から離れたほうがいい…」

の一言にガンっと頭を鈍器で殴られたような感覚がした。
えっ、どうしたの円堂くん。俺の事鬱陶しくなっちゃった?やだ俺泣いちゃうよ円堂くん…!

「えっ円堂くん…」
「!なっ泣きそうになるなよヒロト!ほら俺汗かいてるから汚いし…匂っちゃうだろ…?」

長い睫毛を伏せながら困ったように笑う円堂くん。
とりあえず俺が嫌われたとかそういう理由じゃないから安心。だけどそんな事気にするなんて…!やっぱり円堂くんは可愛い。
そんな円堂くんをもう一度ギュッと抱き締める。

「ヒっヒロト!だから汚いっ…」
「汚いなんて思わないよ。というか全然そんな事ないのに!むしろ円堂くんの匂いなんて全部良い匂いに決まっ…げふんげふん。」

あっ危ない…!思わず本音までポロリと零すところだった…!

「…ヒロト?」
「とっとにかくね、円堂くん。俺は円堂くんの全部が好きなんだ。もちろん円堂くんの匂いもね」
「…ヒロト…」
「だからね、そんな事気にしなくて良いんだよ。それに円堂くんから凄く匂いがする!……そうだなぁ、お日様みたいな匂いがする」

温かい匂いとでも言うのかな。とにかく安心する匂い。
それを聞いた円堂くんはポカンとした表情だったけど一瞬にしてボンッと茹でタコ状態になっちゃった。

「へっ…どっどんな匂いだよそれっ」
「うふふ、俺にしか分からないかもね」
「もー!!やっぱりヒロトのバカ!バカバカバカ!バカ!」

恥ずかしいこと言うなよ照れるだろ!と、ポカポカ俺の肩を叩く円堂くん。
あーもー何この子凄く可愛い。今すぐ食べちゃいたいぐらい!

クスクス笑いながら可愛らしい攻撃を受けていると円堂くんの動きがピタッと急に止まった。真っ赤な顔で口をパクパクさせてまるで金魚みたいだ。

「円堂くん?」
「ヒっヒロト……その、」
「ん?」
「俺の事、いい匂いって、あっ、ありがと」
「へっ、」
「ヒロトの事大好きっ」

言い終わると益々赤くなっていく円堂くんが堪らなく愛しくて、大好きと言ってくれた円堂くんが凄く可愛くて、俺は思わずここがグラウンドということを忘れて押し倒してキスをしてしまいました。


君の全てが愛しいから


(…キ、ス!)
(円堂くんっ円堂くんっ)
(……!)
(俺もね、円堂くん大好きだよ!)
(わ、分かったからとりあえず退いてくれよっ!)
(えー……分かってないからもう一回!)
(へっ、ちょっとここグラ…!…んんっ!)
(んっ……ん、……円堂くん可愛い)
(………やっぱりヒロトはバカ)
(円堂くんバカなら喜んで!)
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テーマ「人外ファンタジー」
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