※高校生パロ



昼休みの屋上、円堂と私は二人きりでいた。
いつもならヒロトと晴矢と私達の四人で昼休みを過ごすのだが、ヒロトは委員会、晴矢は他のヤツとサッカーをするらしく珍しく二人きりになったと言うわけだ。
円堂に好意を抱いている私にとっては嬉しい展開だった。

普段口数が少ない私と明るい円堂は対照的で合いそうになく、二人きりは気まずいんじゃないかと思われるが、意外とそんな事はない。全然苦にならない。

適当に昼食を済ませ、昼休みが終わるまで自由に過ごす。
円堂は私の隣に腰を下ろし、いつもの調子で私に話しかけ、私は本を読みながら時々相槌をうっていた。
すると、急にピタリと円堂の話し声が止んだ。得に私は気にする事もなく夢中で本を読み続けていたが、数分後にふと円堂の方へと視線を向けるとスヤスヤと寝息をたてて気持ちよさそうに寝ていた。

「……円堂、」
「……んっ………」

名前を呼びながら柔らかな頬を突っついてみると、微かに身じろぐ円堂は可愛い。
反応が面白くて、ついつい繰り返しプニプニな頬の感触を楽しむ。

「んっ………す、ずの?」
「ああ、すまないな円堂起こしてしまったか」

しばらく調子に乗って弄くり続けていると、とうとう起こしてしまったようだ。
まだ眠たそうにとろんとした瞳でこちらをボーッと見つめる円堂に「まだ寝ていていいぞ、時間はある」と言うと、「んっ……」と言うなんともマヌケな返事をされた。

そんな円堂に可愛いと、顔がニヤけそうになるのを必死に抑えながら頭を撫でてやる。眠れるようにと。
私がしばらくそうしていると、円堂は急に私に向かって手を伸ばし始め、何事かと身構えている私の首に何かが巻き付いた。円堂の手が回されたのだ。
いきなりの事にいつも冷静な私もかなり混乱した。

「えっ、え、ええええ円堂っ!?なっななななな何だ!?」

慌てた私は情けなくもかなりどもってしまった。そんな私に寝ぼけているであろう円堂は、更なる追い討ちをかけるのだ。

「涼野……一緒に寝よう?」

上目遣いで言われた後、更に私の肩に顔を埋めて、涼野の匂い安心する……と言いながらまたスヤスヤと寝息をたてて寝始めた。

残された私は、顔に熱が集まり、体は硬直したままで全く動けなかったのだ。


寝ぼけた君に要注意


(とりあえず放してくれ!)
(心臓が煩すぎて)
(今にも弾けてしまいそうだ…!)
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