::好きだよ守!(part3)

◎有人くんの場合

「……………ぐぅ」
「…おい!おい!起きろよ!」
「…………ん〜……」
「えんどー!!おい!……おい!」

(よく寝ているな…)

大きな体育館。

俺の視線の先には並べられたパイプイスに座りながらすうすうと気持ち良さそうに眠る円堂と、その円堂の肩をゆさゆさと揺さぶり起こそうとする不動がいる。

先ほどから不動は円堂を起こそうと必死に円堂、円堂と呼びかけるが当の本人はぐっすり夢の中。

それでも円堂を起こそうとする不動と、それでも寝続ける円堂を静かに(ちょっと微笑ましく)見つめていると、不動がチラリとこちらを見て、また円堂の寝顔に視線を戻すとはあ、と深い溜め息を一つ吐いた。

「どうした?」
「……全然起きねーよ…」
「…ああ、ぐっすりだな」
「ホント良く寝てんな、コイツ」

えいっえいっと不動が円堂の頬をつつくが円堂はむにゃむにゃ言うだけで、寝すぎではないか?と思ったが可愛い寝顔を見れたのだ、良しとしよう。

「おいきどーちゃん顔ニヤけてんぞ」
「…ああ、」
「周りの視線が痛いぞ」
「……ああ、」

いまだに眠る円堂の姿に胸のときめきが止まらなかったのは言うまでもない。
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