天馬くんって本当に天然なうえに鈍感だからさ、危機感が全く無いと俺は思うワケ。ほら、天馬くんって男女問わず誰もから好かれるじゃん?主に恋愛的な意味で。そんな魔性の魅力を持つ天馬くんに近付く輩はみんな下心があるっていうのに、天馬くんはニコニコ笑顔でそれを受け止めるんだ。それに誰にでも一度懐けばベタベタくっついちゃうし。だからさ、天馬くん。そろそろ危機感持たないと、いつか本当に喰われちまうぜ?

例えば今、俺とかに。

「ねぇ、天馬くん」
「かっ、かりや……!」

誰もいない放課後の部室で2人きり。いつもなら信助くんと3人で帰るんだけど、今日は信助くんが家の事情で1人早く帰ったから2人きりになれたって訳。好きな子と2人きりでさ、ましてやベタベタくっついてくるって言うのに我慢出来る奴がいると思う?少なくとも俺にはムリだね。現にベタベタくっついてくる天馬くんを床に押し倒しちゃってる。俺の下で怯えた様子の天馬くんが堪らなく可愛い。

「はっ恥ずかしいから退いて狩屋!」
「だって天馬くんが悪いんだよ?」

ベタベタくっついてくるから。まだジタバタと暴れる天馬くんの唇を強引に塞いでやった。んっ!と鼻の抜けたような声を出しながら俺からの急なキスに驚いたのか、天馬くんの動きがピタリと止まる。数秒間そのまま天馬くんの唇を味わい、漸く離した時には天馬くんの顔が熟れたリンゴのように真っ赤だった。触れた唇がジンジンと熱を持って、熱くて溶けちゃいそう。天馬くんのその顔、色んな意味でヤバい。

「天馬くんの唇、凄く柔らかいね」
「!っバカ!」

ククク、と喉で笑いながら天馬くんの顔を指でなぞっていく。それにさえピクリと反応を示す天馬くんのスカイブルーの瞳は、不安と期待の色が混ざっていた。

「好きだよ、天馬くん」
「!」

不意に真面目な顔をして、真剣な声で言ってやった。目を見開いて驚きいっぱいの天馬くんは、やっぱり可愛い。

そんな天馬くんにクスリと笑って、再び顔を近付ける。途中で天馬くんの「俺も…」と小さな呟きが聞こえたが、その瞬間俺と天馬くんの唇がチュッとくっついてしまった。

「俺も、狩屋の事好きだよ」

唇の温もりが無くなって惜しいなぁと思っていると、天馬くんが顔をこれでもかってぐらい真っ赤にさせて小さく小さく告白の返事をしてくれた。

「うん、知ってる」

そう言って天馬くんを引っ張り起こすと間髪入れず抱き締めた。これからは天馬くんは俺のもんだから。そう思うと顔が自然と緩む。天馬くんの顔は今俺の肩に埋められているから分からないけど、天馬くんもそうだったらいいなぁ。

天馬くん、天馬くん、大好き。


今日から恋人になります


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マサキっぽくないかも…(泣)
ですがマサ天への愛はたくさん込めています(*^^*)

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