どうぞ召し上がれ




(病んでる光くん)



美味しそうだ。引き締まった肉とか、艶やかな皮とか、飴玉見たいな目とか、彼を形成するすべてのモノが酷く美味しそうに見えて、今日もまた彼を口に含むのだ。
真っ赤なトマトジュースだって一滴残らず飲み干してあげる。骨の髄まで俺の胃の中に納めてあげる。調理だとか味付けなんて必要無い、新鮮のまま、生のまま、美味しく味わってあげる。その方が食べられる方だって嬉しいでしょう?俺がどんな満面の笑みであんたに食らい付いてるか気になるでしょう?
あんたは俺の血肉になって、ずっと、ずっと、死ぬまで一緒にいられる。こんな至福はないだろ、そうだろう、わかってるよそんなこと。だからお願い、そんな悲しそうな顔しないでよ。


(これでもう、抱きしめられる事は無くなるのだ)


さよなら醜い汚い心、あんたを知らない時間があるなんて俺にはもう堪えられない。あんたが他の人をその目に写して笑いかける姿なんて嫌なんだ。俺のために泣いて、俺のために笑って、俺のために全て捧げて、だってこんなにも愛し合ってるじゃないか。そうだろ?こんな汚い俺だから、綺麗なあんたが俺を愛してくれたんだ。俺は愛されてる、だから、俺を綺麗にして。汚い俺を、どうか救って。
ああ、でもそうしたらどうしようか。



(君が居ない世界なんてへどがでる)

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