邪魔するのは何時だって君のほう





数式、歴号、漢字、その他諸々の重要語句。
ツラツラと書き綴っていた手を止めて見れば、手の側面は黒く特有の光沢がある亜鉛まみれになっていた。チラリ、時計を見ればそう時間は経っていない。普段から机に向かうことなんて滅多に無いだけに、どこか落ち着かない気持ち。そわそわ、ふと机の上に置いてあった携帯のライトが点滅している事に気づいて即座に携帯を開こう、として、やめた。



(アカン、先輩らしいとこ、見せな・・・)


点滅した色でわかる、個人的に唯一設定している赤、光からのメール。普段なら誰よりも先に返信するのに、今日ばかりは逆に本文を読むことさえ臆病になっていた。
一度読んでしまえば、返信したくなる、一度返信してしまえば、メールを続けたくなる。それが、まずいのだ。


そわそわそわ、落ち着かない、進まない。




気付けば時計の針は日の出を指していた。

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