体温の上昇下降は君次第




(帰り道)


「待ってや財前!一緒帰ろ言うたやん!」
「先輩が遅いんやないですか・・・」
「せやかて白石に明日の授業の課題教えてもろう約束取り付けとったんやねもん、しゃーないやん」
「(カチン)・・・先帰りますわ」
「え゛!?ちょ、財前ー(泣)んなちょっと待たせたくらいでそない怒らんでもええやんか!」
「そういう先輩は一分待たせただけで30分も機嫌損ねてたやないですか」
「あれは見たかった映画始まってもーたからやろ!」
「待ち合わせ時間を上映時間に約束する先輩が悪いんですわ、そんな時間に待ち合わせしとったら移動だけで時間過ぎてまうに決まっとります」
「だからそれは俺が悪かったて!えぇから一緒帰ろうや!どうせ帰り道一緒なんやし」
「・・・二度目はないですよ」
「ハイハイ、しかし、さっむいなぁ〜」
「・・・」
「いきなり無視かい!!!!」
「はぁ、んなもん冬なんやから当然やろ」
「・・・お前なぁ、他に言う事ないんか」
「せやかて俺寒いん苦手ですもん、しゃーないっすわ」
「あ、低体温症やったな。どれ」
「・・・っ!な・・・っ」
「う゛ぉっ!冷た!!!本間お前冷たいなぁ」
「低体温やって言っとりますやろ!何勝手に人のポケットに手突っ込んどるんすか!」
「いや、確かめてみよかなぁー、て」
「しょうもな・・・」
「なんやと!?」
「なんもないですー。・・・にしても先輩体温高いっすね」
「そうか?普通やろ」
「・・・(あったかい)」
「(?なんや、俺またなんかしたか?)」
「先輩・・・」
「な、なん?」
「もうちょい俺のポケット貸したりますわ」
「なんやねんそれ、自分が暖かいだけやろ!」
「先輩が自分から手握ってきたんやないですか」
「な!?て、手にぎ、!?」
「だから・・・」
「・・・?」



「もうちょい、こんままでおってください・・・」




「財前の手があったまるまでな」
「先輩のくせして生意気や」






(あぁ、それならずっと冷たいままでいいのに)



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