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  BVLGARI






「あれ光、香水付けるん・・・?」
「あー、まぁ・・・たまにっすわ」


そんな会話をした先日、俺はなんか無償に気になって気になって、白石に相談することにした。
だって、普段香水なんて付けへんし、興味も無かったんや。それに香水ってどうも女が付けるイメージがあって手出す気もさらさら無かった。まぁ、俺自身香水の匂いが苦手っちゅー部分が大きかったんやけど・・・。そんなこんなで、全く知識も何も持たん俺が、いきなり香水なんて付けたって失敗するのが落ちや(日頃の経験上
と、言うわけで現在、白石と休み時間を利用して作戦会議(!?)をしとるっちゅー話や。

「で、どないしたらえぇと思う?」
「え、何。つまり謙也は香水付けたいん?あんなに嫌や言うてたのに?」

白石、めっちゃ阿保面しとるのに回りでは女子がキャーキャー言っとる。まぁ何時もの事やから気にせんけど・・・。俺はため息を着いてから白石の机に顔を伏せた。

「やって、なんかわからんけど嫌やねん・・・」
「・・・まぁ、謙也がそうしたいんなら別えぇけど」

何やかんや言うてちゃんと相談乗ってくれるんよな、コイツ・・・。えぇ親友持ったわ俺。


「どんなんがえぇんやろか・・・」
「匂いは人それぞれ好みがちゃうからな〜、財前がどんなん使こうてたか分からん、か」
「なんか、青いやつやった・・・」
「そんなん星の数ほどあるわ!!ん〜・・・しゃぁ無いな。試しに俺の使うか?」
「え、白石も持っとるん!?」


ガバリ、勢いよく立ち上がると、白石ははにかむように笑顔を見せてくれた。何や、やっぱり男前やの・・・。光とは違うかっこよさや。

「大道やし、あんま嫌い言う人もおらんから失敗することはないと思うで?」

そう言って白石は鞄中から小さな小鬢みたいなのを取り出して俺の目の前で揺らして見せた。何や、エライ綺麗やな。

「ん?で、これを何処に付けるんや?」
「まぁ、一般的なんは手首とか服の襟辺りやな。ホレ、こっちこい。付けたる」
「・・・おん」

シュッと音を立てて、霧状のそれが付けられる。あ゛、やっぱ匂いキツイ・・・けど、うん。これならまだ大丈夫そうやな・・・。

「後はダーリンの反応次第やな」
「だ、誰がダーリンやねんっ!?」「お前は突っ込まれる側やからハニーや・・・」
「ドォォオオオオ!!」





「え、光今日委員会なん?」
「そうや!!さっきまで謙也待ってたんやけどな、時間無いってついさっき行ってしもうたわ〜」
「そっか、有難うな金ちゃん」

何や、まだおらへんのかい。まぁ、待っててくれたんは嬉しいけど、はよ終わらせて帰ってこいっちゅーねん。とりあえず、まだ香水の匂いが残ってるのを確認してから一先ず先に練習メニューを熟すことにした。



「よーし、じゃぁ10分間休憩!!」

白石の声がコート中に響いて、その途端部員達がその場に腰を降ろして息を整えようとしていた。
俺もその中の一人な訳で。つ、疲れた・・・何や、今日は何時にも増して練習キツない?アカン、一歩も動けへん・・・。

「お疲れ様っすわー」
「ッ!?ひ、ひひひ光!?」
「何や、疲れとる思うてアクエリ持ってきたのに、全然元気そうやないですか」
「な訳あるかいっ!!ビックリしただけや!!」

ホンマビックリした!!心臓飛び出るかと思ったで!!
振り返ればジャージに着替えた光がアクエリを片手に涼しそうな顔でこちらを見下ろしていた。視線を合わせてから俺の前にしゃがみ込む。なんや、エライ近くない?いや、何時もこんなもんか?

「そうですかー、って・・・謙也さん・・・」
「何や、光・・・って!!」
「ブルガリ・・・、謙也さん何で白石部長と同じモン付けとるんすか」
「え、えと、それは・・・っ!!」


アアアアアカン!!光、マジで切れる三秒前や!!こ、殺されてまうっ!!


「ハイハイ、その事は俺から説明したるから。とりあえず落ち着けや、財前」
「し、白石・・・」






「と、言う訳や。」
「・・・」

白石の説明が終わっても直も続く光のポーカーフェイスに俺はコートに正座してビクビク震えとった。何やこんな事になるくらいならやっぱ香水なんて付けるんやなかった・・・

「ま、後は二人の問題やな。俺はおさらばするで」

そういって白石退場。心の中で泣き叫びながら白石の助けを求めたが通じるはずもなかった

「謙也さん、」
「・・・ごめん、ごめんな、光・・・、俺・・・」
「もう、えぇですから。怒ってないで、そんな顔せんでください」
怒るに怒れへんわ・・・、といって光はやっと気まずそうだが苦笑いを浮かべてやっと俺は少し安心する。

「寂しかったんですやろ?知らん俺を見て、置いてかれるん思ったんですやろ?」
「・・・、」

あぁ、そうや。この気持ちはきっと、光に言われてやっと気付いた・・・。俺はただその光の言葉にコクリとうなずく。

「大丈夫ですから、そんなんで謙也さんとの距離広げたりせーへんから・・・・・・」





「他の野郎の匂いなんて付けんで下さい・・・」

(アンタが他の人のモンになったみたいで、嫌やねん)



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光謙

09/08/01






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