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  君は抱くまくら





「・・・ひ、光?」
「・・・」

えーと、うん。ちょっと待ってな、俺もイマイチ現状が理解出来てへんのや。何で今こんな事になっとるんや、あ゛ぁアカン。最初から整理してくで?

今日は何時にも増してハードな練習メニューを午前中、きっちり熟して・・・仮にも全国組やからな!!こんくらい当たり前や!!そんで、久しぶりに午前練だけだったからこれから何しよか、って思ってた時、光に

「謙也さん、どうせ暇ですやろ?今から謙也さん家行くんで、感謝してください」

何て言われて、俺はアイツにつかみ掛かったけど、後ちょっとのところで蔵の奴に止められた・・・。何なんやアイツ・・・可愛いげのカケラもないでホンマ、何で何時も上から目線やねん、もうちょっと先輩を敬えっちゅー話や!!・・・まぁ、俺も光と一緒おりたい思ってたで、すこーしは嬉しかったけどな?こ、これは決して光の毒舌が気に入っとるとか、そういう意味やないで!?ただ、素直になれん光なりに頑張った結果なんや、て理解しとるつもり。
理解しても突っ掛かってまうのは、こんなやり取りを気に入ってたりするんやろうな、って最近気付いた。

何時も通り一緒帰って、家には誰もおらんからコンビニ寄って昼メシ買って、交代でシャワー浴びてから、一緒に他愛もない話をして飯食った。飯も食い終わって、今から何しよかってところで、いきなり光に手首を掴まれてからベットに投げられた。最初は動揺して何も動けんくて、そのまま目をパチクリさせてたら・・・。
いつの間にか光もベットに上がって、横に寝転んだと思ったらまた腕引っ張られて、気付いたら光に頭抱えられる様にして抱きしめられとった・・・ちゅー話・・・・・・・・・


「ってえ゛ぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!?」
「謙也さん、うっさい。つか暑い、クーラー付けますよ」
「なななな何しとるん自分っ!」
「昼寝する準備に決まっとるわ。ホンマ謙也さんうっさい・・・、いい加減黙らんとその口塞いで窒息死させるで」
「・・・っ」

その言葉を聞いた途端、俺は簡単に身体を固めた。
コイツ、マジで言うとる・・・。日ごろの経験上、直感的にアカンて頭がサイレン鳴らしとる・・・。
すると上から「ん、それでええっすよ」何ていつもより優しい声色で帰って来たから、不意にも心拍数がめっちゃ上がってもうた・・・。
てか、これって若干腕枕っぽい様な・・・、アカン恥ずかしい、つーかこれで寝るん?無理や、光の腕の中におる考えただけで、心臓・・・破裂してまう・・・・・・っ!
いつもより高鳴る鼓動がリアルに耳に届いてくる。
これ光に聞こえてるんちゃう!?アカン!!またうっさい言われて窒息死させられてまう!!


「あ、謙也さん・・・」
「ッ!!、光すま・・・んっ?!」
「・・・・・・お休みのちゅー、忘れてたわ・・・」

んじゃ、お休みなさい、て上から今にも寝そうな光の声。再びギュッと抱きしめられてから、俺の髪に光が擦り寄って来た・・・。
しばらくしてから規則正しい寝息が聞こえて来た。

俺は恥ずかしさを堪えるために、おもいっきり光の胸に顔を埋めて抱き着いてしまったのは、言うまでもない・・・。


(おおお休みのちゅーって!寝るに寝れるかッ!!!)

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光謙

09/07/31






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