今、目の前にいる男が口にした言葉に俺は大きく目を見開いた。
「…今何と言ったんだ」
「好きだって言った」
聞こえなかったのか?と苦笑するその男――風丸を俺はゴーグル越しにきっと睨みつける。
「俺は男だ」
「あぁ知ってる」
「そしてお前も男だ」
「だから何だっていうんだ」
好きって気持ちに男も女も関係ないだろ?
そう言って風丸は視線を反らすことなく俺を見つめてくる。
「男同士で付き合うなんておかしいだろ」
「なら円堂と豪炎寺はどうなんだ?」
その問いかけにうっと言葉が詰まる。
そうだ、身近にいるんだそういう奴らが。
でも俺は―――
「鬼道、好きだ」
いやだ
「好きなんだ」
認めない
「俺と付き合ってほしい」
こんな感情絶対認めない
「鬼道」
それ以上呼ぶな
ぎゅっと強く握られた手。
そしてまっすぐ見つめてくる瞳。
その手を握り返して視線を合わせれば、
もう後戻りなんか出来ない気がした。
カウントダウン
(あなたにおちるまであと―――)
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風鬼の始まりはこんな感じだと萌える
2010.11.28