ふいに握られていた手を放された。



(オレのことなんて嫌いになったかな)



豪炎寺の顔が見れなくて俯かせている顔を上げられない。



「円堂」



俯かせている顔を無理やり上げさせられて豪炎寺と視線がぶつかる。
少し切ないような苦しんでいるような表情。


そんな顔しないで、つらい、


オレは、




「確かにチョコを渡せれた。告白してきたやつだっている」

「…っ…!」



じわっと涙が滲んで零れそうになるそれを何とか抑えて豪炎寺の言葉の続きを待つ。





「でもな、全部断った」






「…えっ」


大きく目を見開いてオレの頬に手を添えている豪炎寺は優しく微笑んでくれた。





大切なやつがいるから受け取れない。
気持ちも応えられない。


俺にはソイツ以外の気持ちなんていらないから。






「…嘘だ…」

また俯いて独り言のようにツ美約。

俺が想像している以上に可愛い子からだってチョコを貰ったはずだ。
告白だってされたんだろ?


なのに、全部断ったのか?



オレ、がいるから…?




「嘘じゃない」


下からオレの顔を覗き込みながらまっすぎ見つめてくる夜みたいに綺麗で優しい瞳。
オレよりも少しだけ大きいてで見尻に溜まった涙をぐいっと拭ってくれた。




「それにな円堂」

「…ん?」


頬に添えられたいた手を離して次はオレの固く握られた拳を優しく包んでくれる。





「一番欲しいやつからまだチョコを貰っていない」

「…知ってたのか?オレがチョコ作ってるって」

「木野から聞いた」


握っていた拳を解いて豪炎寺の暖かくて大きい手に絡み合わせてお互いの鼻先ふれあうぐらい近付いて。



「オレなんかのチョコでいいの?」

「お前からのチョコしかいらない」

「不味いと思うぞ?」

「不味いわけがない。美味しいに決まってる」

「腹壊したって知らないからな」

「その時は円堂が看病してくれ」


オレの言葉全部に真面目に返す豪炎寺が可笑しくて思わず軽く噴き出して笑えば豪炎寺もつられて笑い始める。


いつの間にか目尻に溜まっていた涙も心の中にあったモヤモヤも消えていた。




「じゃあさ、豪炎寺」



お互い絡み合わせていた手を解いて鞄の中からこの日のために一生懸命作ったチョコを取り出しとびきりの笑顔を大好きな人に向けながら





「これ、貰ってくれますか?」







スイートチョコレートハニー


(大好きなあなたへとびきりの甘い愛を)






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本当にお待たせしましたやっと完結ですorz
円堂さん乙女や…(二度目)

これからはサボらずに一週間に一度更新めざしてまた頑張ります><




2011.6.3




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