イライライラ
「…チッ」
何度目かの舌打ちを鳴らしてそこらへんにあった椅子にドカッと座りまた舌打ち。
そして貧乏揺すりが止まらない。
端から見れば俺はものすごくイライラしてるように見えるだろう。(一年が恐がっているのか近寄って来ない)
まぁ実際イライラしてはいるが。
このイライラの原因、それは──
「よーし!みんな練習始めるぞ!」
ボールを抱えて元気よく外に飛び出した我らサッカー部のキャプテンであり、俺の愛すべき恋人である円堂守のせいだ。
「豪炎寺!そっち行ったぞ!」
円堂が一週間キスさせてくれない。
一週間もだぞ?
たかが一週間と思うかもしれないが俺にとっては死活問題だ。
「豪炎寺!」
一週間キスをしていないということはもちろんアレもしていないわけで。
俺だって…まぁ健全な男子中学生なわけだから、たまるわけでして。
つい最近までは普通にキスさせてくれていたのに。
なのに急に「今日からキスしない!」なんて禁止令が出され抗議したが聞き入れてもらえず。
何か円堂を怒らせることをしただろうか、といろいろ考えたが手は繋がせてくれているので怒っているわけではなさそうだ。
なら何で、
「豪炎寺!聞いてるか!」
「えっ」
ふと意識を戻すとぷくりと頬を膨らませて怒っている円堂が目の前に。
なんだ、キスしていいのかこれは。
なんて思ったがみんながいる目の前でキスなんかしたらキスどころか手さえ繋がせてもらえなくなるだろう。そこらへんはきちんと理解している。
「何ぼーっとしてるんだよ!練習に集中しろよな!」
練習に集中出来ない理由は自分だって気付いていないのだろうか。
(こうなったら)
問い詰めるしかないな。
理由も聞かされずにキス禁止になんかされた俺の気持ちを分からせてやる。
俺はそう心に誓い円堂に"すまない"と謝罪し目の前にあるボールを思いっきり蹴り飛ばした。
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続きます!
豪炎寺がなんかむっつりだ
2010.12.12