赤と緑のイルミネーション。
赤い帽子を被った店員さん。
街からは楽しそうな音楽が流れ出して。
「もうすぐクリスマスか…」
なんてことを思い出した。
「豪炎寺?」
「いや、もうすぐクリスマスだなって思ってな」
「そう言えばそうだな!」
練習が終わり自宅に帰る途中、寄り道しようと寄った商店街。
いつもよりにぎわっている商店街はクリスマスムード一色だ。
「サンタさんに何お願いしよっかな」
「まだサンタなんて信じてるのか?」
「サンタさんは本当にいるんだからな!」
「サンタなんているはずはない」と言う俺に「サンタさんはいる!」と頬を膨らませる円堂。
14にもなってサンタを信じているとはコイツは本当に可愛いヤツだ。
「そうだ、プレゼント何が欲しい?」
「えっプレゼントなんていいよ!」
首を左右に振り慌てる円堂の頭をわしゃわしゃと撫で「遠慮するな」と言えば円堂は「うーん」と頭を悩ませる。
「何がいい?」
「…オレやっぱりプレゼントいらない!」
「何でだ?本当に遠慮しなくていいんだぞ?」
「遠慮なんかしてないよ」
そう言うと円堂はオレの腕にぎゅうっとしがみついてもう一度「プレゼントはいらない」と呟く。
それから少し顔を赤くして、
「こうやって豪炎寺と一緒にいれるだけでいい。それがオレにとってのプレゼントだ」
なんて言われれば今度は俺が顔が赤くなる番で。
どうしてこの少年は俺を喜ばす方法をこんなにも知っているのだろうか。
「でさ、」
「ん?」
「豪炎寺へのプレゼントは、」
オレでいい?
なんて殺し文句を上目遣いで言われてしまえばさらに顔が赤くなるのが分かって。
(本当にコイツには敵わないな)
誰が見ていたって構わないと、円堂を思い切り抱きしめて"愛してる"と囁きながら甘く優しいキスを贈った。
メリーハッピークリスマス!
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豪円でメリークリスマス!
2010.12.25