# 坂田と土方 (20110807/139)

普段とは縁遠いほど絢爛豪華な懐石料理を堪能した坂田は広い部屋で涼んでいる最中、土方の肩先に寄り添うように凭れて船を漕ぎ始めた。――10分だけ耐えよう。既に土方の脚は痺れて限界間近であったが、無防備な坂田の寝顔を視界に留める度にあと10分、あと10分、とその時間は延びるのだった。

※お題『高級旅館』【10分】【寄り添う】