# 山崎と土方 (20110919/139)

汗が輪郭を伝う。顎の先から滴が垂れて、腿の上をじわりと濡らした。未だに目の前で煙草を吹かす副長からは何の言葉もなく、白煙がただただ部屋を濁していく。それとなく状況の打破を試みても、副長の態度は崩れるどころか揺るぐ様子もない。やはり「好きです」などと口走らぬ方が良かったのだろうか。

※お題【副長室】『汗』『好き』