# 山崎と土方 (20110827/139)

信号の切り変わりを待つパトカーの中で沈黙は続く。運転席でハンドルを握る山崎は、助手席に座す上司を間接的に窺い見るべく、ルームミラーへと視線を投げかけた。月明かりに照らされた土方は憎いほどに整った顔立ちをしており、その隣で山崎は「そりゃモテるはずだ」と改めて情人の姿容に敬服した。

※お題【車内】『月明かり』『憎い』