# 山崎と土方 (20110821/140)

絡めた指先にぐっと力が込もるのは、高い確率でキスの前触れでもあった。当の本人は無意識なのかもしれない。吐息の触れ合う距離でようやく瞼を閉じて身を委ねる姿勢を見せると、同時に唇に柔らかな感触が落ちる。人の訪れをさして気に掛けずに済むその部屋で、互いの唇を緩く啄む音だけが響いていた。

※お題【副長室】『指先』『キス』