# 山崎と土方 (20110813/139)

まるで猫の引っかき傷のような綺麗な三日月が浮かぶ夜だった。風呂上りの髪を拭いながら廊下を歩む俺の視界に、見慣れた上司の姿が映る。すれ違いざまに腕を掴まれて、足を止める羽目になった。「告白の返事、まだ聞いてねェんだけど」副長相手とは言え、紅潮する頬ひとつ隠せないなんて監察失格だ。

※お題【廊下】『三日月』『返事』