愛は惜しみなく与う
シリーズものの集まり







隣を歩く彼女をちらりと盗み見る

長い髪を揺らしながら、
俺の歩幅に合わせようと必死で歩く彼女に気づき、
少しだけ歩幅を縮めると、吃驚したような、
でも嬉しいような照れた表情を見せる彼女に
俺は少し、否、大分どきりとした

なんでこう、彼女は俺のツボをつく表情や行動をしてくれるのだろうか…

初めての恋だった
初めての彼女だった

お前に出会って、俺は「初めて」を経験しすぎてる気がする

でもそれだけでは満足しきれない自分が居て、
もっともっとと欲張っちまう俺が居た

なぁ、知ってるか?

俺はお前と居ると、「普通」という状態を忘れてしまう程にどきどきしてることを…

なぁ、知ってるか?

こんなにも幸せな気持ちを俺はお前に出会うまで知らなかったということを…


(少しだけ勇気を出して彼女の手のひらをそっと握れば…)

(ほら、彼女は笑ってくれた)

(また、初めてが増えた)


《陽日先生、私、陽日先生と出会って初めてが増えてく一方です》
《俺もだよ》
《これから先も、ずっとずっと陽日先生と初めてを経験していきたいです》


そう思うのは俺の方だ
この学園の教師と生徒という立場が変わったとしても、
俺達のこの関係は変わらず続き、きっとこれからも彼女との初めてがいっぱいで溢れていく


【初めて手を繋いだ】


▼starry☆sky/陽日直獅










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