シリーズものの集まり
先輩を探していた はっきり言って、先輩は可笑しな人だ ぼーっと外をひたすら見つめてるかと思えば、 次の瞬間には急に思い立ったかのように行動を始めてしまう そんな貴女に振り回されている僕であるけれど、 それを満更でもないと思っているのは事実なんだと思う 「先輩っ」 目当ての人物を見つけると、会長と楽しそうに話しているのがよく分かった 分かっている 彼女は会長とは同じ科で、友人という関係であるということは… けれど、この胸の奥で疼くこの感情は抑えられそうに無い 「先輩、ちょっと来ていただけますか?」 「あ、うん」 彼女の手を引っ張って会長とは反対の方向へ連れ去る 思いっきり引っ張ってしまった だけど彼女はただただ笑って僕を見つめる そんなことで僕の気持ちが少しでも晴れてしまうのだから不思議だ でも… 「先輩、僕は貴女の「はい、これ」 ふと見ると僕に差し出された箱がひとつ ふふっと微笑みながら渡されたそれを戸惑いながらも開けると 「マフラー…?」 「そうだよ。颯斗がいつも嫉妬してくれるてるってのは分かってたし。独占欲強いのもよく知ってたから。何か証になるもの作ったら喜んでくれるかなぁって…」 【ほら、私とお揃いなんだよ?】 先輩は可笑しな人だ 鈍感だといつも思う反面、こうして誰よりも僕を知っていてくれる 本当の僕を知っていてくれる そんなことがどんなに僕の心を解すのか 彼女はきっと分かってる けれど、この思いを返す言葉を見つけるのはあまりにも難しすぎて、 ただただ、僕は彼女の体を抱きしめた 「ありがとうございます」 「颯斗…すきだよ」 いつでも僕の本当を知っているのは彼女で 僕が僕の全てを知っていて欲しいと思うのも彼女しか居ない それを表現できるか分からないけれど、僕は… 【初めて心から笑った】 ▼starry☆sky/青空颯斗 ←→ |