不可逆進化論

どう見ても女だったのに筋骨逞しく成長した男前ゲイ男主人公×主人公を女だと思い初恋芽生えてたノーマル元親

幼稚園からの付き合いで小学校三年で主人公が転校、とんと付き合いがなかったが元親が送った年賀状に書かれてたアドレスに主人公がメールして大学入学直前春休みに再会

戸塚由良 デフォルト:(戸塚 由良/とづかゆら)
元親に呼ばれてたあだ名はゆーちゃん
178cmでむっきむき
中高六年間野球部。
短髪に切れ長の目で左耳の耳殻にピアスみっつ




幼馴染との再開の第一声は叫び声だった。


零れんばかりに目を見開き、物の怪でも見るかのようにわなわなと指を指される。

「...っお、おま、 えっ...」

「何だよ」

「...か、替え玉とかじゃ」

「ねーよ」

「しょ、証拠出せ証拠!」

そう気丈にがなる彼の眉は垂れている。
薄い記憶を引きずりだして突きつけた。

「...あのな、べそべそ泣きながら俺の裾掴んでついて回ったのは誰だ?泊まり会の夜便所行ってそのまま俺の布団に入ったのは誰だ?毎日玄関ですっ転んでぴーぴー泣い」

「わ、わかった!わかったって!...マジかよ...お前、由良か...」

「はなっから言ってんだろ。お前俺をなんだと思ってたんだよ」

自分より少し高い目線に呆然と見下ろされるってのも妙な気分だ。
あんなに可愛かったチカちゃんはどこ行ったんだよ。


恐らくトランスフォームした親友はゆっくりと口を開き、爆弾を投下した。

「...俺ぁ、お前を女かと...」

「......待て、おいなんだそれ詳しく」

「...男だったのかお前...」

俺が凍った。
もじもじと居心地悪そうに言い訳を始める彼。

「だってよぉ...お前ピンクのスモック着てたじゃねぇか...」

「あれねーちゃんのおさがりな」

「髪長かったじゃねぇか...」

「親の趣味だろ」

「あんな可愛かったのによ...」

「お前人の事言えねぇだろ」

弱々しい追撃を薙ぎ倒していく。
声をかけた時のあの快活さは影さえも残っていない。

「あんなに好き好き言ってくれたのは勘違いだったんだな」

「ち、違ぇよ!俺ぁ...っあ、あん時は!」

「結婚しようって言ってたのにな」

「...っだってよぉ...」

肩は下がり、もうすっかり下を向いている彼は泣き出しそうだ。

「今でも好きなんだけどな」

「あぁ...ん?」

「貰ってくれんだろ?元親」

薄く涙を湛えた目尻にちゅ、と口づけを落とす。

顔を離せば色素の薄い隻眼と目が合う。
一瞬で頬を紅く染め、ぱくぱかと口を動かしていた。


「...な、」

「好きだ。今も」

「...な、なっ」

耳まで赤くなってなお口ごもる元親。


「俺と付き合えよ。元親」

「...う、ん」


勝った。

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