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「本当にすまなかった!!」
「いや、その、もういいですって」
土下座なう。(本日4時間ぶり二度目)
今度は片倉さんが。
そういえば歯ブラシと替えのパンツがないなと気付いたのが夕飯後。
冷蔵庫ありあわせの炒飯食って、風呂沸かした時だった。
外も暗いし俺一人でコンビニまでひとっ走り行ったんだよ。
んで、ボクサーかトランクスか2分弱悩んでボクサー買って歯ブラシも買って帰ってきた。
靴脱いだところで そういえば風呂つけっぱなしだったな、とか、片倉さんはタイマー切れるかな とか思ってたら居間からばきんと音がした。
居間のドアを開けると、びくりと肩を震わせる片倉さんと、…外装がばっきばきのキッチンタイマーが。
「…あの」
「ッすまねぇ壊しちまった!」
「まさか握りつぶしたんじゃ」
「…すまん」
して、土下座。
でこで床磨く勢いの片倉さんの顔を上げさせて話を聞くには、
ずっとキッチンタイマーが気になってて見に行ったら画面が動いていて。
よくよく見ているうちにぴぴぴと鳴ったのにびびって握りつぶしちまったんだと。
「戦国武将ぱねぇ…握力なんぼあんだよ…」
余程脆い構造だったとしてもこうも簡単に潰せるとは。
そもそもの体の構造が違うんじゃないかと思う。
「その、直せないのか…?」
「これは無理ですね。安もんですし明日にでも新しいの買ってきますよ」
破片と変わり果てた本体を燃えないゴミ箱に投げた。よし。
「じゃ、とりあえず風呂入りましょうか。使い方はさっきので分かりましたね?
タオルを授けて脱衣所の戸を閉める。
さて、寝支度をしよう。
一人じゃない夜が更けていく。
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