「おはよう」


朝目覚めると私の目の前には旦那さんのルッチが
別々のベッドで寝たはずなのにどうしてこの人はさも当然の様に潜り込んでるのだろう
ルッチとの距離が近くて首もとをかすめるうねった髪がくすぐったい
普通ひとつのベッドに男女がいれば甘い雰囲気になるだろうけど、生憎私たちはそれに当てはまらない


「なんで私のベッドにいるの」


自分で思っていた以上に低い声がでた
そしたらルッチが珍しく落ち込んだ表情に
ねえちょっとどうしたの


「今日から長期の極秘任務だと前から言っていただろ」


「そういえば」


「……5年も会えなくなるのが寂しいから今のうちにお前を補給しておこうと思っただけだバカヤロウ」


なんだこのルッチ可愛いぞ
いつもは私の尻を揉んだり下着盗むような変態なのに
何か変な物でも食べたのか
でもまあ、こうも素直になってくれてるんだからたまには甘えさせてあげようかな


「正直私も寂しいし嫌だけど任務ならしょうがないよ。一緒にウォーターセブンに行くことはできないけど、私にできることあるなら言ってね」


「なんでもいいのか」


「私にできるならね」


「じゃあひとつ、ひとつだけ」


「なに?」


もったいぶってなかなか言わない
はっきり言ったらいいのに


「行ってらっしゃいのべろちゅーをしてくれ」


「ん?」


「だから、行ってらっしゃいのべろちゅーをしてくれと言ったんだ。」


「…………」


行ってらっしゃいのキスって普通可愛いく、ちゅっとするものじゃないのか
ていうかべろちゅーって言い方が似合わなくて鳥肌が立った
悶々としていたら視界がルッチ一色に
押し倒されたの…


「ね、ねえルッチ。これから任務でしょ、盛ってないで早く行きなよ」


「無理だ。妄想したら興奮してきた」


唇に噛みついてきた豹に
私は抵抗することは出来なかった





もうお手上げだから

(せめて手加減して、体じゅう痛くなるから)
(これでも十分しているつもりだ)


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