神田 | ナノ
「ひいいい寒い寒い寒い!ばかっ窓開けないで!!」
「黒板消し叩いてるから仕方ねえだろ」
「えっ!?なんでそんなに冷静なの!?神田寒くないの!??」
「………」
「馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけどついには細胞が温度まで感知出来なくなったの!?」
「…………」
「でもこの寒さ分かんないなんて、幸せだね。馬鹿でよかったねバ神田」
「馬鹿はてめぇだろ!さみぃに決まってんだろーが!!!」
「ちょっ目がまじすぎる」
「さっきから黙ってりゃベラベラベラベラと!口ばっか動かしてねぇでさっさと日誌書け!!」
「寒すぎて手が震えて字が書けない」
「まじで役に立たねえな」
「おいこら黙れ」
「……蚯蚓が走った後より酷いな」
「気にしてるんだから言わないで」
「……悪い」
「そもそもクリスマスはみんなが幸せになる為の日なんだよ。なんで私が神田と二人で日直しなきゃなんないの」
「俺だっていい迷惑だ。なんで最後にお前みたいなバカの面見て終わらせなきゃなんねーんだよ」
「知らんわ!もうありえない、ほんっとありえない」
「歯軋りすんなブス」
「してないから!寒くて歯が鳴るんだよ!!」
「かわいそうな奴だな」
「自分だってアレンにマフラーと手袋むしり取られてたくせに」
「…見てたのか」
「……ごめん、ばっちり」
「忘れろ」
「はっ、無理だな!あーあ、せっかくケーキ食べに行こうと思ってたのに」
「…さみしい奴だな」
「うっせえ!クリスマスなんて家族か友人と祝うもんだと疑わなかったわ!」
「なんだ、裏切られたのか」
「…………ぐうう」
「図星か」
「もうクリスマスだなんだかんだとイチャつこうとしてるカップルみんな風邪引けばいいよまじで」
「お前人間として最低だな」
おかげで、いつまでも帰れない
20101225