さわってごらん | ナノ


恭弥へ

ごめんね、恭弥。
きっと貴方がこの手紙を読む頃には私はいないと思うの。恭弥には伝えていなかったけれど、シャマルに聞いたら私の病気は私や貴方が思っている以上に悪くて赤ちゃんを産むとなると、私か赤ちゃんどちらか片方の命を選ばなければいけなくなるって告げられたの。びっくりでしょ?私もびっくりしたよ。でもね、貴方はそれを知ってしまったらきっと産むことを許してくれなかったでしょ?
だから内緒にしました。嘘だってつきました。お互い頑張るってことには代わりはなかったけど、赤ちゃんを見たら私はきっと満足感だけ抱えて先に行ってしまうだろうから。ごめんね。

生い先短いなんて言い方したくないけどもし赤ちゃんを産むことを諦めても私はきっと長く生きられないから、せめて私よりも長く生きていける赤ちゃんの、天丼の命を優先したかったの。

恭弥はこれを読んで怒るかな?いつも恭弥には迷惑ばっかりかけてたし嘘だって平気でついてたから怒られても仕方ないよね。でも私は後悔してないから謝りません!(あ、恭弥ここ笑うとこだからね!)

それと、私のお葬式はしないでください。仮にも私もマフィアの幹部だった人間だし。きっとボンゴレを相手に逆らう人はいないと思うけど隠しておいて損はしないと思うの。それに私に恨みを持ってる人が私が死んだと知って仕返しにって天丼のことを狙うかも知れないから。だから火葬だけしてください。あとのことは適当でいい。書類上のことも綱吉に任せて大丈夫だろうし。何より、これからはお金がたくさんかかるから私なんかよりも天丼と自分の為に使ってください。

恭弥はこんな私に最後の最後まで素敵な旦那さまでいてくれたね。特にこの10ヶ月は私にとってとても満ちたりてました。仕事だって忙しいのに一緒にいてくれてありがとう。たくさん気を使ってくれてありがとう。貴方のおかげで本当に幸せでした。だから恭弥、次は天丼を幸せにしてあげてください。護ってあげてください。お願いします。

あ、もしも天丼が弟か妹を欲しがったら、喜んで天丼に新しい家族を迎えてあげてください。そしてみんなで仲良く幸せに暮らしてください。

我が儘で融通の効かない私と一緒にいてくれてありがとう、恭弥。愛してる。

          牛丼