夢 | ナノ


「ねぇ雲雀」
「なに」
「抱きついていい?」
「やめてよ」
「やだ、抱きつく」
「抱きついた瞬間殴りとばすよ」
「えええー、なにそのドエスっぷりは。反抗期?雲雀くんは反抗期なのかい?」
「その話し方むかつく」
「大丈夫、私はまったくむかついてないから」
「君って本当にバカ?」
「いまさら分かったの雲雀」
「(…疲れる)」
「なんか今表情がすっごい面倒くさいものを見るような感じだったよ雲雀」
「ワオ、無自覚かい?」
「私が面倒だっていうの?」
「……もういい」
「だああ、もうごめんってば雲雀。その顔すっごく可愛いけど拗ねないでー」
「咬み殺されたいの?」
「そうかも」
「自分からやられたいなんて君は本当に変わってるね」
「そうだね」
「変態」
「うん」
「殴ってあげようか」
「そんなこと言いながらも私のことトンファーで殴ったりしたことないね雲雀」
「偶然でしょ」
「そっか、偶然か」
「うん」
「ねえ、雲雀」
「……なに」
「好き」
「…知ってる」


title 処女

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テーマ「人外ファンタジー」
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