「幸福喫茶3丁目」より桜庭さんと千年さん。


「…電話してくんなって言っただろ」


不機嫌そうな声が電波に乗って流れてくる。まったく、君はいつでも素直じゃないんだ。素直じゃなくて強がりで、少し寂しがり。
彼女の事は俺が一番知ってたんじゃなかったのか。それなのに俺は彼女を一人きりにさせた。辛い思いばかりさせた。俺だって悲しかったけど、彼女はもっと哀しかったはずだ。

「嬉しいくせに」
「あ?お前頭イカれてんのか?」

暴言も声も笑えるくらい全然変わらない。こんなにまっすぐな女性の馬鹿みたいな嘘をどうして見抜けなかったんだろうか。

「悪かった、側に居られなくて」
「ハッ、何言っ…」
「悪かったよ」


謝るな、気持ち悪いと言われた。相変わらず冷たい。それでも、そんなところも、どうしようもなく…


「一緒に、暮らさないか」
「………!」
「駄目か」
「……、」

「ちとせ」
「…っ、駄目じゃ、な…い。」


フラレたら責任を取ってもらおうと思っていたのに。彼女…もしかしたら未来の娘かもしれないが。


…ああでも、良かった。
もう二度と君にフラレるのはいやだ
あんな思いをするのはいやだ




どうしようもなく……愛しいよ


(嘘は、要らないから)

------------------------
桜庭さんは店長、葛さんの次に好きでした。しかし考えなくとも潤は桜庭さんの娘になりますよね、ていうか進藤さんがまず桜庭さんですよね。桜庭潤ですか(違う)


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -