真狩と木瀧

「無理なら食べなきゃいいだろ」
「…うるさい」
「あーあー吐くならトイレ行って」

立ち上がった真狩は部屋から飛び出してトイレへ駆け込んだ。呆れてため息をついてから机の上に置かれているお菓子の山を見て、またため息をついた。
化身使いになると糖分を過剰に摂取したくなるのだと、フィフスから派遣されてきたシードの白咲から言われた。
俺は元々甘い物は嫌いじゃなかったから良いけど、問題は真狩だった。真狩は甘いものが死ぬほど…でもないけど大嫌いなわけで。でも化身を使うと糖分が欲しくなる。だから食べてしまう、そして吐く、の繰り返し。あれで摂取出来ているのかは疑問だが、何もないんだから平気なんだろう。

「はあ…」
「おかえり、平気?」
「平気に見えるなら、眼科行け」
「冗談だって…なあ、化身出すのやめたら?多分だけど今より楽になるかもしれない」
「…白恋の勝利には化身は、必要だよ」
「絶対障壁があるだろ」
「あれだけだと、DFが薄い」
「…頑固」
「頑固で結構」

つらいならやめても良いのに。…真狩の分まで、俺DFに回れるかな。白咲に相談しよう。そう思いながら目の前の菓子にまた手をつけた。
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