「わぁカズの部屋って、意外と綺麗なのね」 「まぁな、って意外かよ」
そんなの嘘だ。アミが突然来るって言うもんだから急いで片付けただけだから。 アミは辺りを見回してから、部屋の中央にある小さなテーブルの近くに座った。俺も不自然じゃないようにアミの目の前に座る。こういう時は対角線上に座るのが当たり前だよな。
「あ、そうだ。飲み物飲むか?」 「じゃあ貰う」
分かったと言って部屋から出て台所に向かった。あ、何を飲むか聞くの忘れた。紅茶が冷蔵庫に入っていたはずだからそれを出せば良いか。
「アミー、紅茶で良いよ、な…あ?」 「あ」 「うわ、ちょっ何してんだよ!」 「エロ本探索を」 「ないからそんなの!」
紅茶のペットボトルとコップを音を立てながら落とした。コップがプラスチックで助かったな、なんて思いながらコップを拾い上げようとしゃがみこむ。それにしてもまだベッドの下を除き込むアミ。てか、下着見えてるから!思わずかぁと顔が熱くなったのをアミは面白がっていた。お前女子としてどうなんだ。と彼女を疑う。
「カズ、私ね」
ずいっと近づいてきたアミ。アミの顔は何時になく真剣で、でも俺をからかっている風にしか見えなかった。ドキドキと心臓がうるさい。アミに聞かれているかもしれない。絶対聞かれている。こんだけ近いんだから。
「私ただの優等生だと思ってた?」 「違うの、かよ」 「違うよ?私色んなこと興味ある。例えば、こういうのとか、さ」 「やめ」
余りにも近かったアミに驚いて尻餅をつくとアミは俺の上に跨がっていた。柔らかい太ももが俺の足に密着する。吐息が首筋にかかる。ヤバイ本当にヤバイ。何のつもりだ彼女の顔を見る。彼女の顔を真っ赤に蒸気して、その上瞳が涙で潤んでいた。なんでそんな顔すんだよ。
「カズ」
ぷつん、と何か切れた気がして、アミの肩を勢い良く掴む。アミは短く悲鳴を上げた。アミごめん、一言謝りながら唇に噛みついた。(そういうのを元から期待していたワケでもないけど、ちょっと嬉しかった)(まぁ俺も男、ですから)
//ごとり
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