「先輩、うざい」
「そんなこと言わないでくれよ」

休憩時間になってからあたしに付きまとう三国先輩。正直暑苦しいから離れて欲しいとあたしは露骨に大きなため息をついた。(多分三国先輩はこのため息の意味を知らないだろう)
あたしは先日この人に告白もされた。そうなんですか。よく分からなかったとはいえ軽く受け流したのがいけなかった。はっきり断れば良かったと後悔する。だってこんなアプローチのある人だとは全く思ってもいなかった。
はぁ、ともう一度わざとらしく大きなため息をついた。周りを見ればマネージャーと音無先生やら部員だのがニヤニヤと笑って楽しそうにこっちを見ているのが見えた。

「先輩ってそんなにあたしのこと好きなワケ?」
「ん?」

わざとこの人を困らせることを言ってみる。ガラにもないことを言っているからあたしは少し恥ずかしかった。この人だって、こんなことを言われたら困って離れてくれるだろう。でも現実は違った。

「あぁ、俺はすごく瀬戸のことが好きだぞ?」
「なっ」

予想以上に恥ずかしい台詞を真顔でさらりと言う三国先輩。ヒューヒューと部員が騒いでいる。南沢先輩と倉間と浜野、後で絶対殺す。

「瀬戸?」

彼は俯いてわなわな震えるあたしの顔を覗き込んできた。あたしは真っ赤に染まった顔が見られたくなくて、思い切りこの人の股間を蹴り上げた。(正直やりすぎたと思ってる)

「三国先輩のバカヤロー!」

そう叫んでグラウンドを後にするあたし。あたしはこの人が好きでもなんでもないはずなのに、顔が、熱かった。


//お願い黙って赤くなっちゃう



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